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選択肢_4 ページ13

「降谷さん!...傘も差さないで――」


その直後、黒い傘を片手に小走りで近づいてきたのは、
先ほど降谷がスマホで連絡を入れた相手――風見だった。


「風見。...この男だ。
既に死亡している。一課にも報告しておいてくれ」

「既に情報は伝えています。もうすぐ到着するかと」


雨に濡れた上司を気遣うように眉を寄せつつ、
すぐさま指示に対応する風見。


「悪いが、少し離れる。後は頼んだ」

「了解しました」


いつものように彼の短い返事に軽く頷くと、
彼には見えていないAに視線を送り、降谷は歩き出した。




『…』


とりあえずついてきたものの、
慣れない状況に少し落ち着かない様子のA。
助手席のドアを開けようとして思いとどまった降谷に目線で促され、
そのまま乗り込んだ――、もとい、すり抜けて入った車内は、
綺麗に整頓されたスマートな空間だった。



続いて運転席に乗り込むと、


「――ちょっと…、悪い」


と、助手席の方へ身を乗り出した降谷。



『え――…』


困った表情で眉を寄せていたAは、
あまりに至近距離に現れた降谷に、とっさに身を翻すように背を曲げた。

すり抜けられるのだから、何も問題はないはずだったのだが。

目の前の男は、ダッシュボードからタオルを取り出すと、
運転席でわしゃわしゃと濡れた髪の毛を拭き始めていて。



ヘッドライトを点けただけのRX-7の薄暗い車内で、
スーツのジャケットを脱ぎ水滴を拭いている降谷を少し心配そうに見つめるA。



『…傘、持ってなかったの?』

「いや、折り畳みは常備している」

『何で差さないの』

「…何で、だろうな」

『…?』


よく分からない会話に、Aは首を傾げた。
答えは降谷にも分からなかったのだから仕方のない話だ。

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white12(プロフ) - ra-raさん» 返事が遅くなって失礼いたしました。嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます。更新が不定期で申し訳ありませんが,引き続きお楽しみ頂けましたら幸いです。 (2021年9月24日 21時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra-ra - こんにちは!この先どのような物語になっていくのかワクワクした気持ちで読んでます。のんびりと更新待ってます! (2021年9月19日 17時) (レス) id: f4447b9ee9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2021年9月19日 8時

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