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Ep.試食の時間_4 ページ24

ポアロのシフトを控えていた彼は私服姿で。
Aとて、スーツといえど、当然リクルートスーツのようなものでもなく。


梓からしてみればデートのようにも見えた状況だが、



「あぁ、これからポアロに向かうところだったんですよ。
先ほど偶然彼女の姿を見かけまして。
…今更ですけど、
以前手伝ってくれたお礼がまだでしたし、お連れしようかと思いまして」


などと降谷が適当なことを口にしたものだから、
――そういうことになった訳である。

一緒にいるところを適当に誤魔化そうと、
とっさに出た作り話にしてはまぁ、それなりに理屈は通っているもので。


以前は、意味深に関係性をボカしつつ、
それらしい雰囲気で周囲を上手くコントロールしていた降谷だったはずだが、
やはり、彼自身の心境の変化が無意識に現れたのだろうか。




以前手伝ったお礼。
それはちょうど1年ほど前の、秋の模様替えのことだ。

Aにとってはもはやいつの事やら、という話でもあったが、
接客業ゆえんか生来の性格からか、
梓はしっかり覚えていて、

「そ、そうですよね!ぜひ、コーヒーとデザート召し上がっていってください!」

と、窓越しに嬉しそうな笑顔を見せていて。


下手に言い訳するのも得策ではなさそうで、
急に理由をつけて車から降りるのも然りで。
安室という男が仕事のシフトに遅れるのも、好ましくはなくて。

潜入先の人間だろう彼女に簡単に見つかる状況はいかがなものかと、
抗議を漏らしたい気持ちを膨れ上がらせつつ、
Aはしぶしぶ店についてきた訳だ。





降谷の潜入捜査は終了している。
しかし、"安室透"が消えた訳じゃない。


残党の調査を全て終えていないこと、
安室透と関わった人物への危険を考慮し、
まだ、警戒を完全に解くことは出来ないのだ。



エプロン姿のイケメンな店員は、
まだ健在なのだ。

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white12(プロフ) - やっちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてとても嬉しく思います。また,文章についてもお褒めの言葉を頂き大変恐縮です。お目汚しも多々あったかと思いますが,最後までお読み頂きありがとうございました。 (2022年4月18日 9時) (レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 今晩は。大作お疲れ様でした。読み応えがあり、楽しめました。文章がうまいですね! (2022年4月14日 18時) (レス) @page35 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - pandaheroさん» こちらの作品ですが,申し訳ないのですが,諸事情により公開は控えております。読みたいと言って頂けてとても嬉しいのですが,ご容赦頂けますと幸いです。 (2021年6月7日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - pandaheroさん» 本作をお読み頂き,嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます!面白いと思っていただけて本当に嬉しいです。妄想が突っ走る形ではありますが,愛の伝わる作品と言って頂き,身に余るお言葉に感激しています。 (2021年6月7日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
pandahero(プロフ) - また”逃れられない想いとともに”の公開予定はありますか?私は警察学校組の中でも松田さんが一番好きで、そんな彼がメインの物語を素敵な理解をされているWhite12さんの文章で読みたいと願った次第です。ご迷惑でしたらこちらのコメントの削除などお願いします (2021年6月6日 8時) (レス) id: 6df71f9a53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2021年4月13日 18時

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