Ep.試食の時間 ページ21
「あ、これ確か七瀬さんが処理してくれてたはずだよね」
「そうなんですね。――七瀬さん、これって…」
「あ…えーっと、確か水瀬さんが少し変更してくれたこのシステムが――」
事務官室では、
うーん…と唸り声が聞こえてきそうな表情でサヤカが眉をひそめ、ディスプレイを睨んでいた。
その横には椎名、そして、少し若い女性事務官の姿。
――Aが事務官を辞め、公安警察に戻ってから既に2ヶ月が経っていた。
「あ、あった。これだ。そうだった。水瀬さんが手順書作ってくれてたやつだ…」
「七瀬さん、直接教わってましたもんね――、って…」
どうやら少し前から新しく導入されたシステムと、
一部を効率よく変更した手順についての話らしく。
ふと言葉を途切らせてじぃっと、一点を見つめる椎名。
それはサヤカも同じくで。
「…ごめん。ややこしい…」
「ですよね。…って、もう今更ですけど」
「…私に言われましても――」
困った表情の若い女性事務官。
“七瀬”という彼女は、この4月に新しく事務官となった新人だ。
Aが辞めるまではもちろん一緒に働いていた訳で、
その頃に比べれば…という話なのだが、
水瀬、七瀬、と何とも紛らわしいもので。
指導係はサヤカに命じられていて、ともに同じ案件に関わることも多い椎名もなんだかんだで指導やサポートに加わっているのだ。
椎名がここに来た頃のAとサヤカのような状況で。
215人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
white12(プロフ) - やっちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてとても嬉しく思います。また,文章についてもお褒めの言葉を頂き大変恐縮です。お目汚しも多々あったかと思いますが,最後までお読み頂きありがとうございました。 (2022年4月18日 9時) (レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 今晩は。大作お疲れ様でした。読み応えがあり、楽しめました。文章がうまいですね! (2022年4月14日 18時) (レス) @page35 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - pandaheroさん» こちらの作品ですが,申し訳ないのですが,諸事情により公開は控えております。読みたいと言って頂けてとても嬉しいのですが,ご容赦頂けますと幸いです。 (2021年6月7日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - pandaheroさん» 本作をお読み頂き,嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます!面白いと思っていただけて本当に嬉しいです。妄想が突っ走る形ではありますが,愛の伝わる作品と言って頂き,身に余るお言葉に感激しています。 (2021年6月7日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
pandahero(プロフ) - また”逃れられない想いとともに”の公開予定はありますか?私は警察学校組の中でも松田さんが一番好きで、そんな彼がメインの物語を素敵な理解をされているWhite12さんの文章で読みたいと願った次第です。ご迷惑でしたらこちらのコメントの削除などお願いします (2021年6月6日 8時) (レス) id: 6df71f9a53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2021年4月13日 18時