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あまりにも綺麗なコントラスト_3 ページ24

しばらくして。


「はぁ、はぁ...。どこにも、…見当たりません、ね」

「エレベーターには無かったし…、ロープ部分にも...。
それに、建物内部もくまなく探したはず…」

『…”スカイエッジを吹き飛ばす”…、確実に吹き飛ばすなら――』


タワーは人が立入れるフロアは少ない一方で、ビルは16階建だ。
今日は日曜日で特に多くの客が訪れているこの場所から、
市民を避難させるだけでも20分以上かかったわけで。


そして当然、
各フロアを調べるだけでもかなりの労力がいる。


息を切らした高木と佐藤、そしてAが周囲を見回している中、
非番ではあったものの当然駆けつけた白鳥もまた、
伊達や目暮と訝しげに顔を見合わせていた。



「犯行予告から既に45分が過ぎている!
建物周辺も徹底的に探せ!」

「「「はい!!!」」」


少し枯れ始めた目暮の声に一斉に返事をした一課の面々。
走り回り続けている彼らの息は、かなり上がり始めていた。








その頃。
そびえ立つタワー、それに隣接するビルを見上げるようにして睨みつけている松田の横には、
萩原の姿があった。




「…そっちも見つからなかったみたいだな。
いたずら――、なら良いんだけどな」

「…」


つい先ほどまで、隊員たちと現場を捜索しながら走り回っていた萩原。
同じく動き回っていたはずの松田が、
考え込んでいるような姿を見つけて近寄ってきたのだ。



「なぁ、萩」

「…は?」

「”乗っている奴らも一緒に”って…、エレベーターのことじゃねぇんじゃねぇか」



そう呟いた直後、
何かに気づいたように萩原の方を見ることなく即座に走り去っていった松田。

その方向は駐車場の方で。



「――車…?」



松田の意図に気づいた萩原は、


「車だ!停まっている車をくまなく探せ!!」


と、他の隊員に瞬時に指示を出した。




周囲の駐車場は、
ビルの周囲にある第1、第2、
そして、ビルやタワーから少し離れた場所にある臨時駐車場の3箇所だ。
そこは現在、市民が避難している場所だった。



“スカイエッジを吹き飛ばす”という、
この辺り一帯を指していると思われる特定が難しい予告に、
捜索の手を広げた捜査一課と処理班の隊員たち。



そして、


ドアは開かない乗用車を含めて、捜索が行われて数分が経った頃、



「――松田!」



指示を出しながら走り回っていた萩原が、
乗降用のドアが開いていたらしいマイクロバスに乗り込んだ松田を見つけ、
状況を確認しようと走り寄った。

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設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - 紅月さん» お読み頂いているだけでもありがたいのに、嬉しいコメントを頂けて、特に台詞や情景についてそう言って頂けて、本当にありがとうございます。夢主は脆さもありつつ芯のある人物を描いているつもりなので、伝わっていて嬉しいです。後少しですが、ぜひお楽しみ下さい。 (2020年7月31日 23時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - 文章力が…ッ文章力が有りすぎる!読みやすくて話に引き込まれちゃいます!台詞や情景描写の言い回しがめっちゃ好きです。話の展開、過去の話、主人公の決意諸々…色々が本当に格好いい!更新楽しみにしています! (2020年7月31日 18時) (レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年7月20日 20時

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