Ep.2 タイミング 【Liar】_2 ページ5
『美味しかったぁ』
「見た目はちょっとだけど、味はまぁまぁだった、だろ？」
『ホント、凄いよ。研二。』
少し破れてしまったものもあるそのロールキャベツは、
とても美味しく、1口目から頬を綻ばせていた未玖。
冷蔵庫にはサラダも作ってくれていたようで、
“今日、何かあったの？“などと聞いたものの、
いや、気が向いたからさ、と適当にはぐらかされていた。
『ありがとう。ホントにごちそうさま』
“ごちそうさま”と手を合わせた未玖に嬉しそうにニヤリと笑う萩原だったが、
その笑みには少しだけ違和感があった。
カチャカチャと洗い物をする未玖は、
キッチンの角に置かれた箱に視線を落とした。
先ほどは、”疲れてるだろ。俺がやるから”と、
鍋を温めたりの作業を萩原がしてくれたので気づかなかったのだ。
『あ、これ――』
未玖にとっては見慣れた箱。
杯戸ショッピングモールにあるチョコレートショップのものだった。
「…あ、今日、ふらっとモールにいったからさ。」
『じゃあ、コーヒー入れるわね。ありがとう。
って…あ――』
嬉しそうにお礼を告げた後、
何かを思い出したように水道を止めてクローゼットの方へ向かう未玖。
『溶けちゃうとこだった…』
「…」
ソファに座る萩原の横目に、パタパタとクローゼットに向かった未玖。
箱のようなものを手に戻った彼女はそれを冷蔵庫に入れると、
ケトルをコンロにかけてもう一度ニッコリ笑った。
少し、気を遣うようにして。
『あ…、今のは、打ち合わせ先の人に貰ったの。
カバンに入れっぱなしで』
「そっか」
苦笑いをする未玖に、短い相槌を返した萩原。
『でも、こんな美味しい料理作ってくれて、
チョコレートまで、ホントにありがとう。研二。』
当初、いまいち素直になれない未玖だったが、
一緒にいる時間が長くなったからか、素直な笑みを向けたつもりだったのだが。
しかし、一方でその萩原は少し微妙な顔をしていた。
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white12(プロフ) - チッピとデーラさん» 原作をねじ曲げているのは心苦しいですが，ifの世界で警察学校組の皆が笑っていたら...という妄想全開の作品ですが，Fは私自身時々読み返してニンマリする作品となりました (自画自賛ですみません...)。少しでも心に残る作品になっていましたら，この上ない喜びです。 (2021年6月7日 20時) (
レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - チッピとデーラさん» 本作をお読み頂きありがとうございます！シリーズを全部読んでいただけたなんて，作者の勝手な妄想で繰り広げられた世界でしたが，気に入って頂けて本当に嬉しいです。 (2021年6月7日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
チッピとデーラ - こんな未来が原作であったら…と思ってしまうほど、文章も情景描写もお上手で、引き込まれました。こんなに素敵な作品を完結してくださり、本当にありがとうございます！長文失礼しました。作者様の他の作品も読んでみようと思います！これからも頑張ってください！ (2021年6月3日 22時) (レス) id: 53b6430389 (このIDを非表示/違反報告)
チッピとデーラ - 最後のFで、5人が集まって女子会ならぬ男子会をしているのも、胸が熱くなりました、、、降谷さん達が恋人、想い人にどんな印象を持っているのかも知ることができて、伊達さんのお父さんキャラも見れて、ほっこりしました。 (2021年6月3日 22時) (レス) id: 53b6430389 (このIDを非表示/違反報告)
チッピとデーラ - はじめまして。Rainから今作まで全部読みました！警察学校組大好きなので、4人(伊達さん入れて5人ですね)が生存していたら、という数あるお話の中でも特に気に入ったシリーズでした。私は特に最初の松田さんのRainと、ヒロさんの4869がお気に入りです！ (2021年6月3日 22時) (レス) id: 53b6430389 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2020年7月5日 13時
