束の間の乾杯【F】_10 ページ31
景「でもさ、何も聞いてこないんだよ。知らなくて良いって。
…そうやって優しそうに笑ってくるからさ、
申し訳ねぇなって思うんだけど。
俺が完全に、彼女のそんな態度に甘えてるのも分かってて。
…つい何かの拍子に俺が困った顔すると、彼女も困ったように笑うからさ。
でも…、この間言われたんだよな」
萩「何を？」
景「気にしないで欲しいって。
…会いたいって言って、困った顔させてるのは自分だって」
手元のグラスを眺めたまま、
景光が少し切なそうな、柔らかい笑みを零している姿を、
4人は静かに見つめていた。
景「…で、俺も、無理にそうしてる訳…じゃねぇからさ。
そりゃ、…公安としちゃ褒められたもんじゃねぇし、処罰対象かもしれねぇし、
…この先、彼女を危険な目に合わせるかもしれないってことも十分理解してるけど。
ゼロには…、怒られそうだけどさ」
降「…」
景「でも、会いたいって思うのは...俺も一緒だからさ。
そう言ったら、
“じゃあ、今度そんな風に困った顔して謝ったら、また、ここに連れてきてくれ”って」
松「…は？」
萩「…”ここ”？」
ハハッと自嘲気味に笑った景光に、
松田と萩原が首を傾げた。
景「…あー。あんまり、堂々と出歩くのも…だから、
車でたまに、…一緒に行く場所があって。」
伊「…ハハッ。取引みてぇだな」
景「…なんか、敵わねぇなぁって、さ。」
景光の話に、
3人の口から、ふっとどこか優しげな息が漏れた。
降谷は複雑な顔をしていたものの、
景光のその表情に、やはり、旧友――いや、親友としてか、
ほんの少し嬉しそうに口元を緩めていた。
景光の穏やかな顔を見て、純粋に嬉しく思えたのか。
それは、彼の過去をも慮ったからか。
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white12(プロフ) - チッピとデーラさん» 原作をねじ曲げているのは心苦しいですが，ifの世界で警察学校組の皆が笑っていたら...という妄想全開の作品ですが，Fは私自身時々読み返してニンマリする作品となりました (自画自賛ですみません...)。少しでも心に残る作品になっていましたら，この上ない喜びです。 (2021年6月7日 20時) (
レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - チッピとデーラさん» 本作をお読み頂きありがとうございます！シリーズを全部読んでいただけたなんて，作者の勝手な妄想で繰り広げられた世界でしたが，気に入って頂けて本当に嬉しいです。 (2021年6月7日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
チッピとデーラ - こんな未来が原作であったら…と思ってしまうほど、文章も情景描写もお上手で、引き込まれました。こんなに素敵な作品を完結してくださり、本当にありがとうございます！長文失礼しました。作者様の他の作品も読んでみようと思います！これからも頑張ってください！ (2021年6月3日 22時) (レス) id: 53b6430389 (このIDを非表示/違反報告)
チッピとデーラ - 最後のFで、5人が集まって女子会ならぬ男子会をしているのも、胸が熱くなりました、、、降谷さん達が恋人、想い人にどんな印象を持っているのかも知ることができて、伊達さんのお父さんキャラも見れて、ほっこりしました。 (2021年6月3日 22時) (レス) id: 53b6430389 (このIDを非表示/違反報告)
チッピとデーラ - はじめまして。Rainから今作まで全部読みました！警察学校組大好きなので、4人(伊達さん入れて5人ですね)が生存していたら、という数あるお話の中でも特に気に入ったシリーズでした。私は特に最初の松田さんのRainと、ヒロさんの4869がお気に入りです！ (2021年6月3日 22時) (レス) id: 53b6430389 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2020年7月5日 13時
