非番の捜査_6 ページ29
直後。
鑑識が到着したと同時に、
観念したように話し始めた江藤。
「そういうことか…」
「…リベンジポルノ、というやつか。
それで――」
『…』
男を呼び出し、故意に自分で刺したことを認めたのだ。
殺すつもりで左胸を狙って。
ストーカーをされていたことは事実だったようで、
生活安全課に相談していたものの何ら解決はされなかったそうだ。
動機は、ストーカーや復縁を迫られていたというだけでなく、
動画や写真をばらまくと何度も脅されていたことらしい。
刺した後、倒れた彼のズボンからスマホを取り出して、
ファイルを消そうと何とか中を見ようとしたものの、ロックが外せなかった。
結局それを持って逃げようと思ったが、
近くを人が通りかかったため、茂みから出ていくことは躊躇われた。
刺したことや自分が疑われるんじゃないかということに怖くなったが、
ふと冷静になり、逆に、それらをスマホに残したまま、
正当防衛ということにすれば良いのでは無いかと考え、
悲鳴をあげたのだと。
つまり、とっさに思いついた場当たり的な嘘だったようだ。
憔悴したようすの江藤を、
支えるようにしてパトカーへと連行する目暮。
『江藤さん』
その彼女に近寄り、Aが声をかけた。
『脅されていたとはいえ、
正当防衛なんて嘘をついて、
人を刺したことは、…正しいなんて絶対言えませんけど』
「お、おい咲野くん」
何を言い出すんだと、慌て始める目暮。
『正しいというつもりは決してありません。
でも、貴方の気持ちは、…理解は、出来ます。
生活安全課が、…警察が、事前に対処していれば、
こんなことにはならなかったかも、しれないので』
「な――」
謝罪の言葉は口にせずとも、
軽く頭を下げるA。
一層驚いた様子の目暮の横で、
憔悴した顔で小さく目を見開く江藤。
「まぁ、…言ってることは間違っちゃいねぇけどよ。」
「アイツ…」
ほんの少し後ろからついてきていた伊達と松田は、苦い顔を浮かべていた。
「しかし…、”使えねぇ新人”ってのはそろそろ取り消してやっちゃどうだ。
良いコンビになりそうじゃねぇか」
「…だから、笑えねぇ冗談だっつってんだろ」
その言葉とは裏腹に、
眉を寄せてAを見つめる松田の表情は、
どこか柔らかいものだった。
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white12(プロフ) - 珠妃さん» こちらこそお手数おかけしました。ありがとうございます。(2)の方もどうぞよろしくお願いします。 (2020年6月25日 23時) (
レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
珠妃(プロフ) - ありがとうございます。お手数をおかけしました。これからも頑張ってください! (2020年6月25日 21時) (レス) id: c10ec830ba (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 珠妃さん» 本作品をお読みいただきありがとうございます。(2)は一時パス制限をかけていましたが、先ほどより公開しています。引き続きお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
珠妃(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています。次の策品のパスワードはなんですか?ちょっと良くわかりません。 (2020年6月25日 16時) (レス) id: c10ec830ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2020年6月19日 20時
