損ねた機嫌_2 ページ20
「い、いや。別に不味そうとか嫌いってわけじゃないって。
まぁ、どの店のも変わらないだろとは思うけど…」
『…』
高木のその言葉が火種となったのか、
Aはあからさまにジトリと彼を見据えた。
いや、椅子に座っているのだから、怖い方の、上目遣いだ。
『…分かってへんなぁ』
「え…？」
『本場の大阪の味を知らへんからやろ。
東京に進出してる店もあるけど、やっぱり全然違うんよね。
この店が一番、このあたりじゃ大阪の味出してる思てるけど、
ほんま全然ちゃうから。』
「え…えっと――」
ふいっと顔を背けて、最後の1つのたこ焼きを口に入れたA。
缶コーヒーに口をつけて、黙って様子を見ていた伊達は、
何やら面白そうに口元を緩めている。
『…バカにしてると怒られるで？』
「は？…え、誰に」
『たこ焼き屋のおっちゃんに決まってるやん』
「…はぁ…え−っと」
『あ。それと、多分うちの弟にも――』
「は…？」
横顔しか見えない。
しかし、やたら不満そうなのは理解できた高木は、少し戸惑っている。
佐藤に対してもだが、女性の機嫌が急に悪くなるのにはやはり上手く対応できないようで。
「へぇ？咲野は弟がいんのか」
『…あ、えっと。
たこ焼きがめっちゃ…、あ、えっと、すごく好きで。
私も最初はそんなにこだわりは無かったんですけど、まぁ、色々とうるさいっていうか、
怒るとけっこう怖いっていうか…』
助け舟を出したつもりか。
様子を見ていた伊達が口を挟むと、
とっさにイントネーションを修正しつつ、目上の人間に対する丁寧語で話し始めたA。
「へぇ。たこ焼きで怒られんのか。そりゃ大変だな。
ま、高木はとりあえず謝っておけってことか」
「え？なんでそうなるんですか…。ってか、誰にですか」
『別に、謝ってもらいたいわけじゃなくって…』
ワタワタと、どこか和やかな空間に、
「…何やってんだ？お前ら」
ボソリとした低音が割り込んだ。
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white12(プロフ) - 珠妃さん» こちらこそお手数おかけしました。ありがとうございます。(2)の方もどうぞよろしくお願いします。 (2020年6月25日 23時) (
レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
珠妃(プロフ) - ありがとうございます。お手数をおかけしました。これからも頑張ってください! (2020年6月25日 21時) (レス) id: c10ec830ba (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 珠妃さん» 本作品をお読みいただきありがとうございます。(2)は一時パス制限をかけていましたが、先ほどより公開しています。引き続きお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
珠妃(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています。次の策品のパスワードはなんですか?ちょっと良くわかりません。 (2020年6月25日 16時) (レス) id: c10ec830ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2020年6月19日 20時
