静かな苛立ちと冷たい目_6 ページ29
「怪我は、ありませんか?」
『…は、はい』
返事をした直後、
何かに気づいたように慌ててしゃがみこむA。
「え、…どこか、痛みますか!?」
慌ててAの前にしゃがみこもうと、腰を大きく曲げた安室は、
ハッと口を閉ざした。
床に落ちていた本を手に取り、
泣きそうに眉を寄せていたからだ。
『…』
はぁ…と、大きく息を吐いて、
何かを言いたそうに口を小さく動かしているA。
うまく、言葉が出てこないようすで。
「…その本、傷はついていないみたいですね。」
『え…』
「良かったです」
Aがふと顔を上げれば、
まるで子どもに目線を合わせるようにして腰を大きくかがめ、
優しく笑う安室と目が合った。
本が落ちたところを見てたのだろうか。
なんで、...こんなタイミング良く、助けてくれたのだろうか。
偶然?
それとも――
色々なことが頭をよぎったものの、
Aはただ、
『はい。…良かった、です』
と、ゆっくり立ち上がると、
大事そうにその手の本を撫で、棚へと戻した。
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white12(プロフ) - なーこさん» 少々複雑な話になった気もしています。降谷が絡むとどうもそういう話になるようで...(苦笑)。本作も、最後までお読みいただき本当にありがとうございました。 (2020年7月15日 15時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - なーこさん» 互いに全く違うような感じですが、実はかなり近しいところもあるというか、本質的な部分を描きたかった本作でした。ちょっと切ないと言うか本質的に互いが抱える葛藤をさらに抉るような部分もありつつ、理解しあっていく(おもに降谷が、ですが)という... (2020年7月15日 15時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - なーこさん» 今更ながらの返信ですみません...。いつもコメントありがとうございます!2人の微妙な関係と、なぜかお互いに心地よさを感じるという矛盾のような必然性のようなそういったところが伝わっていてとても嬉しく思います。 (2020年7月15日 15時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
なーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます´`*普段時間の針が穏やかに進んでゆっくりなのに突然リズム乱して刻みだし早さ一定してない相原さんと普段寸刻を争い生きている降谷さん。2人一緒だと時空が歪みそうなのに何故か心地良くて...撒き塩での出会いが懐かしくしんみりします*。 (2020年7月6日 4時) (レス) id: e08e419bfb (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - りんさん» お目汚しになった箇所も多いと思いますが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。また、他の作品でもお会いできましたら幸いです。 (2020年7月5日 0時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2020年6月17日 21時