笠間参事官 ページ9
休憩室を後にし、
警察庁へ戻るためエレベーターに向かい廊下を歩いていた降谷は、
ふと立ち止まった。
「お疲れ様です」
向かいから歩いてくる人物に、
背筋を伸ばし敬礼をする降谷。
当然、
自身よりも明らかに立場が上の人間だからだ。
「…降谷か」
「お久しぶりです。笠間参事官」
「あぁ。」
貫禄のある人物。
年は50、いや60が近いくらいだろうか。
警視長の参事官を務める”笠間 大輝 (かさま だいき)”だ。
自身を軽く一瞥してくる彼に、
降谷は丁寧に頭を下げた。
「そちらの状況はどうだ。
…といっても、簡単に口に出来る話ではないだろうがな。
こんな場所で」
「そう、ですね。今のところ、大きな問題はないとだけ、お答えしておきます」
「協力者、監視対象、…保護対象、との距離を計り違えることのないようにな」
視線を外して、
笠間の口から漏らされた低音の言葉に、
降谷はこっそり眉を寄せた。
“笠間からも軽く釘を刺されているからな”
そして、少し前に、黒田理事官から言われた言葉を思い出す降谷。
「あの…」
「何だ」
「笠間参事官は、10年前まで警察庁…、ゼロに所属されていたんですよね」
「あぁ。…元は公安部にいたんだがな。
その後はお前と同じ、公安部の刑事を纏める立場だった」
「そう、ですか」
「…何か聞きたそうな顔だな」
ちらりと降谷の顔を見やる笠間。
とはいえ、
協力者との距離感だのと口にしたのは笠間の方だ。
責める訳でもなく、続く言葉を待っている様子だ。
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white12(プロフ) - リンさん» すごく嬉しいコメントありがとうございます!励みになります。劇的なストーリー展開ではないので物足りなく感じるかもしれませんが、そのように感じて頂けたのは本当に嬉しいです。話はもう少し続きますがお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月23日 21時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こう、じわじわと距離が深まっていくお話は中々夢小説にないので、個人的にとても嬉しいです。内容も面白くって読んでいて飽きない……すごい。更新楽しみにしてます! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 73f2c7a15b (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - アイスあるさん» 嬉しいコメントありがとうございます!全体的にほんわかするストーリーを目指したつもりなのでそう言って頂けたら嬉しいです!これからもお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月16日 18時) (レス) id: 9553187897 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - あやなさん» 本作をお読み頂きありがとうございます。他の作品も読んで下さったとのこと、すごく嬉しいです!更新頻度はややマチマチですが、今後もお楽しみ頂けたらと思います! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - 心が温かくなります!更新頑張ってください! (2020年5月16日 16時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2020年5月15日 23時