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探偵さんと受験生_3 ページ46

『えっと、じゃあ2冊で890円になります』

「安室さんの言ってたとおり、かなり専門的な本も多いみたいで、色々興味深いです。」

『それは良かった』

「それに、やっぱり古本って良いですよね」

『え?』

「だって、毎回新書で買ってたら正直金欠間違いないっていうか…。」


キリッとした印象で、
いかにも頭脳明晰といった風貌の新一が、
年相応のセリフを零したことで、Aは思わず吹き出すようにして小さく笑った。

新一にとっては、あの両親に頼めば金の工面などどうにでもなるところだが、
その辺りはさすがにプライドがあるらしく、
そう甘えてもいられない訳だ。



『探偵さんは大変ね。
高校生だからきっと使えるお金も限られてるのに、色々知識を蓄えないといけないんでしょうし』

「あー。まぁ、それはあるんですけど…、
その本、受験勉強のためっていうのもあるんですよ」

『あ、…そうなの?
工藤くんって、高校…3年生?』

「はい。まぁ、これから、絶賛受験生になるところ、ですね」


“色々あって出遅れてて”とはさすがに言えない新一。
まさか、最近まで小学生をしていたなどとは誰が想像出来るだろうか。
していた、というのはやや語弊があるわけだが。


『大変だと思うけど、頑張ってね』


ニコリと笑い、Aが本の入った袋を手渡すと、
新一はお礼を口にしてさらりと笑った。


スマートそうなその笑みは、
どこか、安室に似ているようにAは感じた。


『探偵さんをやりながら、…受験生かぁ。
なんか、本当に大変そう』


軽く会釈をしながら店を去る新一を見送りながら、
Aは小さなため息をつくと、
レジ台に戻ると再びこっそり小説を読み始めたのだった。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - リンさん» すごく嬉しいコメントありがとうございます!励みになります。劇的なストーリー展開ではないので物足りなく感じるかもしれませんが、そのように感じて頂けたのは本当に嬉しいです。話はもう少し続きますがお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月23日 21時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こう、じわじわと距離が深まっていくお話は中々夢小説にないので、個人的にとても嬉しいです。内容も面白くって読んでいて飽きない……すごい。更新楽しみにしてます! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 73f2c7a15b (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - アイスあるさん» 嬉しいコメントありがとうございます!全体的にほんわかするストーリーを目指したつもりなのでそう言って頂けたら嬉しいです!これからもお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月16日 18時) (レス) id: 9553187897 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - あやなさん» 本作をお読み頂きありがとうございます。他の作品も読んで下さったとのこと、すごく嬉しいです!更新頻度はややマチマチですが、今後もお楽しみ頂けたらと思います! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - 心が温かくなります!更新頑張ってください! (2020年5月16日 16時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年5月15日 23時

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