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堤無頭川の朝焼け ページ35

そして、数日後の早朝。


「まだ早いからな。ここでは吠えるなよ?」


”安室透”のマンションを出た降谷は、
吠えないようにと、腕に抱いたハロに軽く注意を零した。


徹夜明けの乾いた目を強くつぶると、
明るくなり始めた空がやけに眩しく感じた。



ハロとともに走りながら向かう先は、堤無頭川(ていむずがわ)。
米花町の安室のマンションからはそう遠い距離ではなく、
住宅街から少し離れているため、明け方の散歩にはちょうどいいのだ。


「よし。ここまで来たら吠えても良いぞ」


安室の言葉に”アン!!”と元気よく返事を返したハロは、
今にも走って行きそうにリードをぐいぐいと引っ張った。


「ハハッ。あまり遠くに行くなよ?」


そう言ってリードを離す安室。


そして軽く筋肉を伸ばす動作をした後、
自身のトレーニングも兼ね、土手沿いに走っていくハロの後ろを追いかけた。
アンアン!という、ハロの小高い声を追いかけていくと、
安室の目に1人の人物の姿が映った。

土手から少し下ったところに立ち、
ぼんやりと対岸の方を眺めている。


(相原さん?)


時刻は5時半になったところだ。


「…ずいぶん早いんだな」


そう言えば少し前、
米花町の交差点で彼女の姿を見たような気がする。
あの日も似たような時間だったな、と思い出した安室。



近づいてきた子犬の鳴き声に反応したのか、
ふと、Aがハロの方へ視線を向けた。


そして――、

その後を追うように小走りに近づいてきた安室に気づき、
少し戸惑ったように頭を下げた。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - リンさん» すごく嬉しいコメントありがとうございます!励みになります。劇的なストーリー展開ではないので物足りなく感じるかもしれませんが、そのように感じて頂けたのは本当に嬉しいです。話はもう少し続きますがお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月23日 21時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こう、じわじわと距離が深まっていくお話は中々夢小説にないので、個人的にとても嬉しいです。内容も面白くって読んでいて飽きない……すごい。更新楽しみにしてます! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 73f2c7a15b (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - アイスあるさん» 嬉しいコメントありがとうございます!全体的にほんわかするストーリーを目指したつもりなのでそう言って頂けたら嬉しいです!これからもお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月16日 18時) (レス) id: 9553187897 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - あやなさん» 本作をお読み頂きありがとうございます。他の作品も読んで下さったとのこと、すごく嬉しいです!更新頻度はややマチマチですが、今後もお楽しみ頂けたらと思います! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - 心が温かくなります!更新頑張ってください! (2020年5月16日 16時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年5月15日 23時

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