気がかりな昼下がり_2 ページ16
――と同時に、
ぐいっと後ろに感じる強い重力。
トサっと背中に何か抵抗を感じたものの、
一瞬何が起きたのか分からず、小さく唇を震わせたAが後ろを振り向くと、
そこには安室の姿があった。
Aの腕を掴み、
後ろから抱きしめるように支えながら、
去って行くバイクを睨みつけるように見つめている。
『あ…』
「相原さん、…大丈夫でしたか!?」
『は…、はい』
安室から体を離し、呼吸を整えるA。
『すみません。ちょっと、ぼんやりしていたみたいで…』
「いや。貴方のせいじゃ無い。明らかにあのバイク――。」
呼吸を乱し、戸惑っている様子のAに、
安室は険しい顔をして口を閉ざした。
「…接触していませんか?どこかぶつけたところは?」
『いえ。大丈夫です。
あの、…助けてくれてありがとうございました。
安室さんに引っ張られていなかったら、…ぶつかっていたかもしれませんよね』
「念の為、被害届を出した方がいいと思いますよ。」
『…被害、届ですか』
何かを思い出すような顔をして、Aは視線を彷徨わせた。
“XX区 な 4X1X…”
安室の呟きをどこか遠くに感じながら、
Aは先週のことを思い出していた。
横断歩道を渡ろうとして、
自動車に接触しかけたあの日のことを。
届けは出しておいた方が良いと、
あの時駆け寄ってきた伊達という警察官にも言われたことを。
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white12(プロフ) - リンさん» すごく嬉しいコメントありがとうございます!励みになります。劇的なストーリー展開ではないので物足りなく感じるかもしれませんが、そのように感じて頂けたのは本当に嬉しいです。話はもう少し続きますがお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月23日 21時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こう、じわじわと距離が深まっていくお話は中々夢小説にないので、個人的にとても嬉しいです。内容も面白くって読んでいて飽きない……すごい。更新楽しみにしてます! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 73f2c7a15b (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - アイスあるさん» 嬉しいコメントありがとうございます!全体的にほんわかするストーリーを目指したつもりなのでそう言って頂けたら嬉しいです!これからもお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月16日 18時) (レス) id: 9553187897 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - あやなさん» 本作をお読み頂きありがとうございます。他の作品も読んで下さったとのこと、すごく嬉しいです!更新頻度はややマチマチですが、今後もお楽しみ頂けたらと思います! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - 心が温かくなります!更新頑張ってください! (2020年5月16日 16時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2020年5月15日 23時