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桜餅と悲鳴_4 ページ14

『この前も手伝って貰っちゃったし、
…ホント、ずいぶん助けて貰っちゃってるなぁ。
鈴宮くんがいなくなってからは1人だとけっこう大変な時があるのは事実だし、
バイトのことも考えないとね...』


思えば、
PCを直して貰ったり(…と言っても、安室にとってはファイルを整理したりで動作をスムーズにした程度の簡単な作業ではあったのだが)、
脚立から落ちそうになったところを助けて貰ったり、
本の整理を手伝って貰ったり、と、
安室にはずいぶんと世話になっていることを実感するA。


そして、ちゃぶ台の向かい側。
誰もいないそこに視線を向けると、
ぼんやりと思い出すのは、先日そこに座っていた彼の姿。
背筋を伸ばし、
綺麗な所作で栗ようかんを食べていた、安室の姿だ。


『落ち着く空間だって、…言ってくれてたなぁ。
緑茶や和菓子が好きっていうのも意外だったし』


容姿の整った彼に緑茶を勧めたことにあまりにも違和感を覚え、
とっさにコーヒーだとかケーキだとかを用意しようなどと考えていた訳だが。



“貴方のような華奢な女性には大変な仕事だと思いますから。
…重いだなんて、とんでもないですよ。
むしろ、もう少しちゃんと食べた方が良いのではと心配になるくらいです”



そして、なぜか、
安室から言われた言葉が急に頭に浮かび、
先ほど1口かじったまま手に持っていた桜餅をじっと見つめるA。


『…残りは、後にしようかな…』


特にダイエットをしている訳ではないのだが、
何やら急に、食べ過ぎかもと気になってきたのだ。

あの日、意図せず抱きかかえられたことを思い出して、
Aは1人、気恥ずかしそうに視線を彷徨わせた。

そして、気を取り直したように帳簿をもう一度見直した後、
桜餅を入れた紙袋を手にポアロへと向かったのだった。

気がかりな昼下がり→←桜餅と悲鳴_3



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - リンさん» すごく嬉しいコメントありがとうございます!励みになります。劇的なストーリー展開ではないので物足りなく感じるかもしれませんが、そのように感じて頂けたのは本当に嬉しいです。話はもう少し続きますがお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月23日 21時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こう、じわじわと距離が深まっていくお話は中々夢小説にないので、個人的にとても嬉しいです。内容も面白くって読んでいて飽きない……すごい。更新楽しみにしてます! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 73f2c7a15b (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - アイスあるさん» 嬉しいコメントありがとうございます!全体的にほんわかするストーリーを目指したつもりなのでそう言って頂けたら嬉しいです!これからもお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月16日 18時) (レス) id: 9553187897 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - あやなさん» 本作をお読み頂きありがとうございます。他の作品も読んで下さったとのこと、すごく嬉しいです!更新頻度はややマチマチですが、今後もお楽しみ頂けたらと思います! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - 心が温かくなります!更新頑張ってください! (2020年5月16日 16時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年5月15日 23時

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