SNOW DROP II (9)【名探偵コナン/警察学校組】

気になってしまうので_3 ページ10

「こちらこそ、ありがとうございました」

『え？』

「わざわざ、食器の片付けまでさせてしまって。
…布団も。助かりました」

『…お礼を言われるようなことじゃ――』

「それで、元気になったのなら聞かせて貰っても良いですか？」

『…は？』


少し屈むような体勢で、Aの目をじっと見つめる安室。
Aは彼から聞かれるようなことに心当たりがなく、怪訝な表情で彼を見つめ返した。


「…先日、突然ポアロに来た時のことですよ」

『…』


少し小声になった安室の言葉に、
自身の行動を思い返すAは、少し動揺した様子で彼から視線を逸らした。


「…何か、事件でもあったんですか？
すぐにでも…、そういった免疫をつけなければいけない事情でも？」

『…』

「確かめたいこと、…とか言ってましたけど」

『…迷惑かけて悪かったわ。でも、気にしないで。
こっちの…、問題だから。』

「そう言われても、気になってしまうので…」

相変わらず、人懐っこいのか何なのか、
追求を続けてくる安室。
Aは、気まずそうに、不機嫌そうに、口を閉ざしたまま彼をジロリと見据えた。


「…どうして、僕のところに来たのか、…とか。」

『…え…』

「免疫をつけたい、と、そういう意図なら、彼でも良かったんじゃないか…とか」

『…彼？』

「いつも一緒にいる、一ノ瀬…っていう彼ですよ」


特に表情を変えず、小声のままで話し続ける安室。
Aは言われている意図がやはりいまいち掴めず、眉を寄せた。


『…一ノ瀬にそういう相手になって貰えば良いって言いたいの？』

「…いや、そうじゃなくて」

『彼と同じこと、言うのね』

「…え？」


自分の弱点が、
それゆえの自分の突拍子もない行動が招いたことではあるのだが、
Aは不満そうに呟いた。

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