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賑やかな朝食_3 ページ6

『美味しい…』


まだわずかに舌が覚えている彼の味噌汁の味に、
料理上手な彼のその味に顔をほころばせるA。
卵焼きは、だし巻きのようだ。


『…朝からずいぶん手間をかけてるのね。』


先日、ポアロのハムサンドを口にした時も感じた訳だが、
相変わらず料理の腕が堪能な彼に、
Aは再び少しだけ複雑そうに笑みをこぼした。



「…アン!!」

『…?』

「アン!!」


そして、フワフワと足元にまとわり付いていたハロが再び鳴き始め、
Aがテーブル下を覗き込んだ。


『…こら。近所迷惑かもしれないって、言ったでしょ?』

「…クゥン…」


分かりやすくしょげた様子のハロに、


『…ご飯、食べたのよね?』


と、もう一度問いかけるA。

チラリとキッチンの隅を見れば、そこにはペット用の小さな皿。
少し汚れているところを見ると、
やはり朝ごはんは食べたのだろうことは予測できるわけで。


吠えたことを怒られたためか、
ハロは口を閉ざして、少し寂しそうな目でAを見つめていた。


『内緒、だからね』


ハロの表情に負けたように、
だし巻きを1つ、指でつまんで差し出すA。
ハロはAの指からパクリとそれを食べると、
美味しかったのか、思い切り表情を崩し、”アン!!“と甲高い声を上げた。


『…だから、まだ朝早いから、あんまり鳴くと――』

「アン!!」



少し声のトーンが抑えられたものの、
今度は嬉しそうに足元をクルクル回り始めたハロ。
Aは諦めたように軽くため息をつき、残りの朝食に手をつけ始めた。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - 番外編は、続編みたくなりそうな予感ですが、引き続きお楽しみ頂けたら嬉しく思います! (2020年2月19日 17時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - なーこさん» いつも私の作品を読んでくださりありがとうございます!なーこさんからの嬉しいコメントにいつも励まされております。長々と引っ張ってしまった感はありますが、葛藤もあり、それになかなか素直になれない2人のもどかしい感じを分かって頂けて嬉しいです。 (2020年2月19日 17時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
なーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます´`*徐々に入り組んでいく二人の関係の糸が解けるのか、切れてしまうのか、お互い1歩進んで戻っての繰り返しがもどかしくて良いですね...笑。あと部下の一ノ瀬くん...可愛い...。5ヶ月に渡る長期連載お疲れ様です!番外編も楽しみにしてます*。 (2020年2月18日 23時) (レス) id: e08e419bfb (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - ますさん» そう言って頂けて本当に嬉しいです!ここまでお読み頂きありがとうございました。宜しければ、引き続き更新予定のエピローグもお楽しみくださいませ。 (2020年2月18日 0時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
ます - 更新楽しみに毎日過ごしてました。笑素敵な作品をありがとうございました! (2020年2月17日 2時) (レス) id: 5f95b1313e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年2月7日 19時

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