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賑やかな朝食_2 ページ5

“レンジやコンロは自由に使ってくれて構いません。
鍵は玄関のポストに入れておいてください。
ハロを外に出さないようにだけ、注意してもらえると助かります。
それと、貴方の車は1ブロック南に行ったところに停めたままです。 安室”


『…ハロ…?』


丁寧な文字で、色々と親切に書かれている情報。
その横に置かれていた、この部屋のものと思われる鍵。

そして、メモの中に書かれていた、
外に出さないようにという注意と良く分からない単語に、首を傾げたA。


ただ、同時に襲ってきた空腹感には抗えず、


『…お腹、すいた…』


と、用意された朝食の皿に手を伸ばすと、まだほんのり暖かいようで、
勝手に使っていいなどと書かれていたレンジやコンロを使うこともなく、
そのまま椅子に座ろうとしたのだが、


何やらフワフワとした感触を感じ、足元に視線を落とした。


「…アン!!」

『…は?』


どこから出てきたのか。
そこには、白く柔らかそうな毛並みを携えた小さな犬が、Aを見上げていた。


『…え?…犬…、飼ってるの?』

「アン!!」

『もしかして…、ハロって…、貴方のこと?』

「アン!!アン!」


“ちょ、ちょっと…近所迷惑になるかも、しれないから”

と、しゃがみこんで、そっとその毛を撫でるようにあやすA。


『…ハロって、犬のことだったのね』

「…アン!」


Aに注意されたことを理解したのか、
何やら控えめな鳴き声を零すハロに、Aが少し困ったように微笑んだ。


『…ご飯は?もう食べたの?』

「…アン!」

『…って、分かるわけないか。
まぁ、”安室さん”のことだから、ぬかりはなさそうだし。
…じゃあ悪いけど、私は朝食頂くから。』


じゃれるようにして足元に近づいてきたハロに告げると、
Aは椅子に座り、静かに手を合わせ、”いただきます”と呟くと、
朝食に手をつけ始めた。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - 番外編は、続編みたくなりそうな予感ですが、引き続きお楽しみ頂けたら嬉しく思います! (2020年2月19日 17時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - なーこさん» いつも私の作品を読んでくださりありがとうございます!なーこさんからの嬉しいコメントにいつも励まされております。長々と引っ張ってしまった感はありますが、葛藤もあり、それになかなか素直になれない2人のもどかしい感じを分かって頂けて嬉しいです。 (2020年2月19日 17時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
なーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます´`*徐々に入り組んでいく二人の関係の糸が解けるのか、切れてしまうのか、お互い1歩進んで戻っての繰り返しがもどかしくて良いですね...笑。あと部下の一ノ瀬くん...可愛い...。5ヶ月に渡る長期連載お疲れ様です!番外編も楽しみにしてます*。 (2020年2月18日 23時) (レス) id: e08e419bfb (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - ますさん» そう言って頂けて本当に嬉しいです!ここまでお読み頂きありがとうございました。宜しければ、引き続き更新予定のエピローグもお楽しみくださいませ。 (2020年2月18日 0時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
ます - 更新楽しみに毎日過ごしてました。笑素敵な作品をありがとうございました! (2020年2月17日 2時) (レス) id: 5f95b1313e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年2月7日 19時

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