真夏の夜の_4 ページ23
「まぁ…、あんまり心配させないでください、ってことですよ。
あの男を拘束していたネクタイも、
通りすがりの人に借りたとか、良く分からないこと言ってましたし。
あんまり危ないことしないでください」
『…別に危ないことじゃないでしょ』
「それじゃ、俺は帰ります。
…あ、訴えるなら、事前に教えてくださいね」
一体、何なのだ。
一ノ瀬の挑発的な言葉に、さらに不機嫌そうな表情で立ち止まったまま、
彼の背中を見つめるA。
“あまり、心配させないでください。”
数日前に同じセリフを投げかけてきた人物。
彼の声が頭の中で再生され、ふと、カバンに手を入れた。
そこには――、彼のネクタイがあった。
先日のように、”安室”の部屋のポストにでも入れておけばいいのだろうが、
捜査続きでまだ返せていないのだ。
安室に借りたなどと正直に言うのも躊躇われたそれは、通行人から借りたということにしていた。
まぁ、彼も通行人といっても間違いではないはずだ。
何故、彼があの場にいたのか、Aも知らないのだから。
複雑そうに、今度は自分でそっと怪我を負った腹部に手を当てたAは、
小さくため息を吐き、自身の車の方へと歩いて行ったのだった。
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white12(プロフ) - 番外編は、続編みたくなりそうな予感ですが、引き続きお楽しみ頂けたら嬉しく思います! (2020年2月19日 17時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - なーこさん» いつも私の作品を読んでくださりありがとうございます!なーこさんからの嬉しいコメントにいつも励まされております。長々と引っ張ってしまった感はありますが、葛藤もあり、それになかなか素直になれない2人のもどかしい感じを分かって頂けて嬉しいです。 (2020年2月19日 17時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
なーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます´`*徐々に入り組んでいく二人の関係の糸が解けるのか、切れてしまうのか、お互い1歩進んで戻っての繰り返しがもどかしくて良いですね...笑。あと部下の一ノ瀬くん...可愛い...。5ヶ月に渡る長期連載お疲れ様です!番外編も楽しみにしてます*。 (2020年2月18日 23時) (レス) id: e08e419bfb (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - ますさん» そう言って頂けて本当に嬉しいです!ここまでお読み頂きありがとうございました。宜しければ、引き続き更新予定のエピローグもお楽しみくださいませ。 (2020年2月18日 0時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
ます - 更新楽しみに毎日過ごしてました。笑素敵な作品をありがとうございました! (2020年2月17日 2時) (レス) id: 5f95b1313e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2020年2月7日 19時