人懐っこいのね_2 ページ12
『…え?…ちょ、ちょっと――』
「アン!!」
戸惑うAの足元で、嬉しそうに頭上の彼女の顔にニコニコと笑みを向けているハロに、
安室が慌てて駆け寄った。
「ハロ!勝手に部屋から出るなといつも言っているだろう!?」
『…』
「…アン!」
主人からの叱咤に、少し申し訳なさげにしているものの、
ハロは、フワフワとしたその白い毛をこすりつけるように、Aの足元にじゃれている。
『えっと…、部屋に戻った方が良いんじゃない?ハロ…くん?それとも、ハロ…ちゃん?』
先ほどまでは複雑な会話を繰り広げ、微妙な空気でその場を離れたAだったが、
しゃがみこみ、2日前にもなぜか人懐っこい様子でじゃれてきたハロを撫でながら、
困ったように安室の顔を見上げた。
「…オスだ」
『じゃあ、ハロくんね。ちゃんと言うこと聞いた方が良いと思うわよ。
…怒られないうちに。』
「…アン!アン!」
何故か、本来の口調に戻っている彼。
ハロと接するときはこうなるのだろうか、などとぼんやり考えるAの目の前で、
やはりなぜか嬉しそうに頬を摺り寄せてじゃれてくるハロ。
責めるようにハロを見下ろしている主人、
そして、少し皮肉めいたAの言葉は、あまり効果がないようだ。
『…ずいぶん、人懐っこいのね。この子。』
「いや…、人に依る」
安室の、降谷の脳裏に浮かんだのは風見の顔だった。
何度かハロの世話を頼んだ時、かなり苦戦していたらしい彼の顔だ。
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white12(プロフ) - 番外編は、続編みたくなりそうな予感ですが、引き続きお楽しみ頂けたら嬉しく思います! (2020年2月19日 17時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - なーこさん» いつも私の作品を読んでくださりありがとうございます!なーこさんからの嬉しいコメントにいつも励まされております。長々と引っ張ってしまった感はありますが、葛藤もあり、それになかなか素直になれない2人のもどかしい感じを分かって頂けて嬉しいです。 (2020年2月19日 17時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
なーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます´`*徐々に入り組んでいく二人の関係の糸が解けるのか、切れてしまうのか、お互い1歩進んで戻っての繰り返しがもどかしくて良いですね...笑。あと部下の一ノ瀬くん...可愛い...。5ヶ月に渡る長期連載お疲れ様です!番外編も楽しみにしてます*。 (2020年2月18日 23時) (レス) id: e08e419bfb (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - ますさん» そう言って頂けて本当に嬉しいです!ここまでお読み頂きありがとうございました。宜しければ、引き続き更新予定のエピローグもお楽しみくださいませ。 (2020年2月18日 0時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
ます - 更新楽しみに毎日過ごしてました。笑素敵な作品をありがとうございました! (2020年2月17日 2時) (レス) id: 5f95b1313e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2020年2月7日 19時