SNOW DROP II (9)【名探偵コナン/警察学校組】

人懐っこいのね ページ11

『急にお店に行ったりして、変なこと言って、…悪かったわ。』

そして、もう一度謝罪の言葉を零すと、
Aはそのままマンションの階段の方へと歩いて行った。


「…言い方を、間違えた…か…」


詮索をしたかった訳じゃない。
取引のような会話をしたかった訳じゃない。


意図を聞きたかっただけなのだ。
単なる好奇心か。
何らかの期待なのか。
一ノ瀬という彼との関係を、…聞きたかったのか。


それは、降谷自身にも説明出来なかったのだが。
安室である自分は、何やらやはり好奇心旺盛なようで。


確かめたかったこと、とは何なのか。
様々な方面に鋭くなった今となっては、
男に対する免疫だとか、確かめたいことだとか、そういう言葉で、
ある1つのことが想像できてしまう。
しかし、それはあくまで一般論を元にした推測だ。

それにわずかに動揺してしまう自分がいる一方で、
”今更”という言葉が脳裏をよぎってしまう。

あの日。
五十嵐の事務所で怪我を負ったAが、運ばれた警察病院で言葉を交わしてからだ。
そうした、葛藤が再び芽生え始めたのは。
いや、それ以前からだったのかもしれない。


ため息をつきつつ、部屋の鍵を回し、ドアを静かに開けた安室は――、


「…っ！！」


突如飛び出してきたもう1人、いや、1匹の部屋の主に、目を見開いた。


「…ハロ！！」

「アン！！アン！！」


とっさに追いかけた安室の目に映ったのは、
階段を下ろうとしていたAが、
急に後ろから足元に飛びついてきたハロに戸惑っている様子。

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