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粉雪舞い散る_3 ページ37

『…雪か』


ふと上を見上げると、ふわりと舞い落ちる白。


今日は暦の上では大寒だ。


(さすが、一年で最も寒いと言われる日ね…)

と、はらはらと降ってきた粉雪にふるっと肩を震わせたAは、
ガラス玉をポケットにしまい、
少し足早にBarの方向へと歩き出した。


『もう少し先…ね』


少し歩いた先は、
いくつかのメーカーが入ったビルや工場のある一帯だった。
中には、使われていないビルもあるようだ。

“街の外れ”と言えるあたりまで近づき、
あと数本路地を越えれば目的地だと、
頭の中で地図を再生しながら歩いていくA。


そして――



ドォー…ン!!

『…!!』


突如、Aの耳を大きな爆発音がつんざいた。

目を見開いて、
とっさに音のした方向を振り返ったAの目に映ったのは、
もくもくと立ち上る黒煙。


『爆発…!?』


おそらく、先ほど歩いてきた道沿いにあったビル辺りだ。
そう認識するや否や、瞬時に元の道に走り出したA。



町工場のような場所があった。
もしかすると、事故かもしれない。
しかし――。


あれこれと思考を巡らせながら、
煙の上がっている方向へ走り、路地の角を曲がった瞬間、


ドンッ


『っ…!!』

「…!」


思い切り誰かとぶつかり、
ぐらりと大きく体勢を歪めたA。

と同時に、
カラン…と、何かが地面に落ちる音がした。


おそらく相手もこちらに走ってきていたのだろうと考えつつ、
"す、すみません"と反射的に謝りながら、
ぶつかった衝撃で痛む肩に手を当てながら目の前を確認したA。

視界に入ったのは、

見知らぬ男と、地面に転がった何か――。

それが銃であることを認識したAは、
さらに表情を険しくした。

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white12(プロフ) - ra -ra さん» 嬉しいコメントありがとうございます。更新頻度がまちまちで,また,お目汚しの多い作品となりお恥ずかしいですが,今後もお楽しみ頂けると嬉しいです。 (2021年2月22日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - 初めまして!この小説凄く良いです! (2021年2月21日 13時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2021年2月19日 20時

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