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華麗なる壁ドン_6 ページ27

『公安に呼び出された、取り調べを受けていたんじゃないかって』

「…」

『それに、この間の佐藤からの取り調べ、
目暮警部が何かを伝えに来たことであまりにも不自然に終わったあの状況と、
佐藤がかなり苛立っていたことを考えれば、
想像するのは別に難しいことじゃないでしょ?
自分の課のヤマだった事件で公安が横から出てくるってことは、
そう珍しいことじゃないし。
これでも刑事部にいた人間なんだけど』


軽く首を傾げるようにして、
挑発めいたセリフを交えて反論したA。
佐藤は、”それは…そうだけど”、と、
納得していない様子ながらも、言葉を途切らせていた。



『…それに、捜査状況なんて私が知るわけないじゃない』


そう付け加えて、
どこか悔しげな顔をしてわずかに視線を逸らしたA。


“何も知らないわよ”

とさらに小さく呟いて。


奥歯を噛み締めているかのように口元を少し動かし、
苦い表情をしているAに佐藤はそれ以上追求することは出来なかった。



言葉が途切れた佐藤に眉を寄せて小さな笑みを向けると、


『…一課も大変ね。それじゃ』


と、佐藤の腕による障壁を無くした空間をすり抜けるようにして、
Aは裏口から警視庁を出て行った。



「一課”も”、って…どういう意味よ」


やはり、同期であるAのことは気になるのか。
由美を交えて居酒屋でAを問い詰めたときのことを思い出していた佐藤。


気がかりではあるものの、
やはり、一課の刑事としての苛立ちは消えるはずもなくて、
階段の方へと足早に向かうと、
片手では収まらない階上にある捜査一課のオフィスに駆け上がって行ったのだった。

1日遅れのチョコレート→←華麗なる壁ドン_5



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white12(プロフ) - ra -ra さん» 嬉しいコメントありがとうございます。更新頻度がまちまちで,また,お目汚しの多い作品となりお恥ずかしいですが,今後もお楽しみ頂けると嬉しいです。 (2021年2月22日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - 初めまして!この小説凄く良いです! (2021年2月21日 13時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2021年2月19日 20時

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