華麗なる壁ドン_5 ページ26
『別に。一応、…元々警視庁にいた人間なの。
事務官の仕事じゃなくても用事があることくらい、たまにはあるわよ』
「…公安部で取り調べを受けたり?」
『…』
目を細め、視線を少し鋭くしたA。
対する佐藤も、何かに対する苛立ちを交えた表情を隠そうとはしていなくて。
Aはふぅと一度ゆっくり息を吐いた後、
『公安マターになったってことね。小野田が殺害されたあの事件は』
と口にした。
「やっぱり、公安に呼び出されてたってことね…。――…チッ」
『佐藤、ちょっとガラが悪くなったわよね』
あの取り調べのときよりは控えめに舌打ちをした佐藤に、
Aは笑みを浮かべることはなく指摘を入れた。
「誤魔化さないで。…で、取り調べは終わったの?
捜査はどうなってるのよ」
『残念だけど、公安の取り調べなんか受けてないわよ』
「…え?」
Aがはっきりと告げると、
佐藤は訝しげな顔をしつつも、少々面食らったようにパチパチと瞬きをした。
Aは必ずしも嘘をついているわけではないのだ。
先ほど口にした推測が正しいとすれば、
降谷と風見は独断で動いていると思われる。
上層部に知られては困る状況の中で。
それは、公安警察・公安部という組織として動く公安としての行動ではないとも言えるわけで、つまり、“公安の取り調べ”とは違うからだ。
「で、でも、公安マターになったって言ったじゃない。
何でそんなこと知ってるのよ。
取り調べじゃなくたって、少なからず接触があったってことでしょ?
あの事件に関して」
『あのねぇ。…佐藤が今自分で言ったんじゃない』
「は…?」
さらに問い詰めようとしていた佐藤は、
再び面食らったように聞き返した。
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white12(プロフ) - ra -ra さん» 嬉しいコメントありがとうございます。更新頻度がまちまちで,また,お目汚しの多い作品となりお恥ずかしいですが,今後もお楽しみ頂けると嬉しいです。 (2021年2月22日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - 初めまして!この小説凄く良いです! (2021年2月21日 13時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2021年2月19日 20時