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華麗なる壁ドン ページ22

Aが去った小部屋の中で、
風見は降谷の表情を伺うように、その目をちらりと見つめた。



「…特に有益な情報は得られませんでしたが、
やはり、…確認しなくて良かったんでしょうか」

「そう言ったはずだ。
余計なことを伝えるような真似はするなよ」

「了解、です」



降谷がAを連れてきてから、
30分と少しが経過したくらいの短い時間で終了した取り調べ。

公安側のことを、
降谷と自分のことを探られただけだったようにも感じ、
風見は少しもやもやした感情を抱いていた。

何より、
Aの追求が、
自分たちの現状を言い当てられたに近いものだったことが最大の理由だったが、
降谷から指示されていた内容に対しても、
そして、降谷とAの言い合いを目の前にしたことも、
理由の一つだった。


「何かあると面倒だからな、風見は先に公安部に戻っていろ。
僕は少ししてから部屋を出る」

「分かりました。…あ――」

「何だ?まだ気になることがあるのか」


不機嫌そうな降谷に、
風見がおずおずと口を開いた。


「その…別件なのですが、
降谷さんは、次期警視総監について何かご存知ですか?」

「…いや」

「そう、ですか」

「残念ながら僕にそこまでの力はない」


皮肉めいた言葉を漏らし自嘲気味に口角を上げた降谷。

――次期警視総監。
警視総監の任期は必ずしも決まっているわけではないが、長くても4年程度。
そして、ここ10年ほどは1年もしくは2年で新しい人物に変わるのが定例となっている。
それは、権力を同一人物に長期間集中させることで、
議員や官僚との黒いつながりが蔓延することを避けるためだった。

現在の警視総監は既に2期目になる。
つまり、来年度には新たな総監が任免されるだろうことはほぼ確実なのだ。

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white12(プロフ) - ra -ra さん» 嬉しいコメントありがとうございます。更新頻度がまちまちで,また,お目汚しの多い作品となりお恥ずかしいですが,今後もお楽しみ頂けると嬉しいです。 (2021年2月22日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - 初めまして!この小説凄く良いです! (2021年2月21日 13時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2021年2月19日 20時

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