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埃っぽい部屋の中で_6 ページ18

『…そう、ですか』

「どういう意味だ」
「…」

『普通なら、公安部の取調室に連れて行かれる状況ですよね。
なのに、まるで人目を避けるようにこんな場所に連れてこられた時点で、
独断で動いていることは明らかです』

「「…」」

『これまで、話せることは何もないと言われ続けていたにも関わらず、
先日、まるで私を泳がせるかのようにわざわざ情報を与えにきた。
一方で、監視されているような気配は感じられず、
それなのに今日は拉致まがいに連れて来られ、
小野田の事件をはじめ、こうして取り調べをされている。
貴方たちの行動にはずいぶんと違和感があるので』


ちょうど1年近く前。
降谷に依頼され、潜入捜査に巻き込まれてから今日までのことを思い返し、
先ほどとは立場が逆になったように言葉を溢すA。



『小野田の案件、あるいは、3年前の事件。
どちらにしても、私と関わっていることを、
上層部、公安の人間に知られるのはマズいのだろうことは、
何となく、想像がつきました』

「…」

「”この国のために”。
降谷さんが教えてくれたように、
先日の立てこもり事件の犯人がそう口にしたなら、
…3年前のあの事件を洗い直しているはずですよね。
当時捜査に関わっていた班の人間たちに、事情を聞いているはず。
私をわざわざ泳がせて、矛盾を交えた行動にまで出る必要はないかと…、
不思議だったんですよ』

「それは、
以前、君が関わっていた事件だったからだ。
気まぐれだと、特に深い意図はないと言ったはずだが」


鋭い口調ではあるが、
降谷の反論は説得力のないもので、
Aはそのまま静かに言葉を続けた。

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white12(プロフ) - ra -ra さん» 嬉しいコメントありがとうございます。更新頻度がまちまちで,また,お目汚しの多い作品となりお恥ずかしいですが,今後もお楽しみ頂けると嬉しいです。 (2021年2月22日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - 初めまして!この小説凄く良いです! (2021年2月21日 13時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2021年2月19日 20時

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