拉致まがいの_6 ページ12
数分後、RX-7が停車したのは警視庁の裏口近くの駐車場だった。
「…」
何も言わず、
運転席から降りた降谷は、
スマートに助手席のドアを開けた。
『…』
そうして、
車を降りたAを一瞥しただけで警視庁裏口のドアへ向かう降谷。
Aは不満げに眉を寄せたものの口を閉ざし、
スタスタと長い足で先を進む彼についていった。
そして、エレベーターの方へ向かうことなく、
階段を降りていく彼についていき、
辿り着いた先は、地下にある資料室横の小部屋だった。
『え…?』
「入れ」
『…』
ガチャ、と開かれたドアの先は少し埃っぽく、
今はほとんど使われていない部屋だと認識したA。
警視庁にいた頃も、
かなり古い捜査資料が納められた地下の資料室には足を運んだことが数回あったものの、
この部屋に来るのは初めてだった。
当時のことを思い出しつつ軽く目を見開いて部屋へ入っていったAは、
その先でもう一度目を見開いた。
『…風見さん』
「…」
そこには少々古い机と椅子、
そして、スーツ姿の風見の姿があった。
( …公安部、じゃなくてこんなところで…?)
明らかに公安の案件だ。
降谷に連れてこられたことはもちろん、
目の前に風見がいることがその証拠。
しかし、こんな地下の小部屋という場所に、
違和感を拭えないA。
しかし、
「いくつか聞きたいことがある」
と、鋭い目をして口にした風見の言葉に従い、
埃っぽい椅子に静かに腰掛けた。
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white12(プロフ) - ra -ra さん» 嬉しいコメントありがとうございます。更新頻度がまちまちで,また,お目汚しの多い作品となりお恥ずかしいですが,今後もお楽しみ頂けると嬉しいです。 (2021年2月22日 20時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - 初めまして!この小説凄く良いです! (2021年2月21日 13時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2021年2月19日 20時