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応答 ページ7

5秒後。

シン、と静まり返る室内。

とっさの行動か。

ボタンが押される直前、
五十嵐と清掃員の男を庇うように、彼らに覆いかぶさった目暮や高木が、
恐る恐る顔を上げた。



『だから言ったじゃない』

「…」

『使えないって』

「…っ」


ジロリ、とAを睨みつけた遠藤は、
ナイフを手に襲いかかりながら、
ボソリ、と何かを呟いた。


「…何をしたのか知りませんけど、他のフロアの議員も人質だと言ったはず。
ずいぶん、一般市民の命を軽々しく扱うんですね…?」

『だから、使えないって、言ったでしょ…!!』

襲いかかってきた遠藤に、
待っていたと言わんばかりに彼の腕を掴み、
思い切り投げ飛ばすA。

わざとなのか。
爆弾が仕掛けられている、と遠藤が口にした、
キャビネットすれすれで、床に叩きつけるようにして。


「…チッ。何で…」

『使えないわよ。…他のフロアの爆弾も』

「まさか……。そっちの爆弾、起爆させろ!
――おい!……チッ」

『…』


少し長めの髪で隠れていた遠藤の耳に見えるインカムのような物体。
そこから聞こえるはずの応答がないことに、
遠藤は焦った様子を見せている。


『残念だったわね』

「…拘束したってわけか…。この会館にいるヤツらも」

『さぁね。…でも、さっきも、”使えない”って言ったでしょ。
ふざけたこと、してんじゃないわよ。全部話してもらうわよ』


Aは、投げ飛ばした遠藤の手を手錠で拘束すると、
ギロリと、射殺すような目で、彼と、そして、拘束されたままの五十嵐を睨みつけた。
遠藤は、叩きつけられた衝撃で、
少し意識が朦朧としているようだが。




(…向こうの状況が知りたいけど、
まだ、今は無理ね)


Aの耳のインカムからも、何も聞こえない。
聞こえないように、したのだ。
A自身が。




“貴方がやったの?”

Aの先ほどの問いは、遠藤に対するものではなかった。

応答_2→←悪いけど_5



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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - 開設しましたらお知らせしますね!ぜひ、高さんが描いて下さった夢主ちゃんを見てみたいです! (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 高さん» コメントありがとうございます。な...なんと、そんな嬉しいことがあって良いのでしょうか...。本作を読んで頂けているだけでも嬉しいのに、イラストを描いて下さったなんて本当に嬉しいです!実はtwitterはやっていないのですが、この機に...とも考えておりまして。 (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夢主さんのイラスト勝手に書かせていただきました笑作者様見ていただきたいんですけどツイッターはやってないですか? (2020年2月16日 12時) (レス) id: 9e0ac4ae00 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - fujizakuraさん» 本作をお読みいただきありがとうございます。公開が遅くなり申し訳ありません。(8)は既に公開済みですので、引き続きお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月31日 14時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
fujizakura(プロフ) - 【8】がパスワードがかかっていて見れません (2020年1月30日 17時) (レス) id: 21ccb35895 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月20日 8時

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