口論_6 ページ27
降谷が関わっているのかは分からない。
しかし、東堂の不正に対する捜査に、STOPをかけたのは、
五十嵐が絡んでいたことが原因なのは間違いない。
まだ、国会議員になっていなかった時期の捜査中止命令。
もちろん、これ以上調べても証拠が出てこない、という状況では、
強く反論できなかったのも事実。
ただ、今になってみれば、
それは、五十嵐を、そして、その先の輪廻のヒカリを捕らえるための、
公安部の、いや、公安警察の、もしかするとその上からの命令だったのかもしれない。
Aがそう思うのは当然だった。
降谷の頭に巻かれた包帯を見つめ、
複雑な感情が混じり合い、Aはくしゃりと顔を歪めた。
『…助けてくれたことには、感謝してる。
貴方たちの邪魔をしたことも、…悪かったと思ってる。
こんな謝罪、意味はないんでしょうけど…』
「…」
『…ごめんなさい。二課に、戻るわ』
ノートPCをカバンに入れると、
ベッド脇に立てかけられた松葉杖を片手に、ベッドから降りるA。
「…安静だと言われているんじゃないのか」
『問題ないわよ』
「…っ…」
ベッドがあるということは、入院か…、安静が必要であるということは明白だ。
それでも、松葉杖をつきながら、降谷の横を通り過ぎるAは、
掴まれた腕に、足を止めた。
『…』
「…無事で、…良かった」
『…!』
そう告げて、切なげに笑った降谷は、
苦しそうに目を細めると、すっとAから手を離し、
彼女の先を行くようにして、病室から出て行こうとした――、
が、
その身体がぐらり、と揺れた。
87人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
white12(プロフ) - 開設しましたらお知らせしますね!ぜひ、高さんが描いて下さった夢主ちゃんを見てみたいです! (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 高さん» コメントありがとうございます。な...なんと、そんな嬉しいことがあって良いのでしょうか...。本作を読んで頂けているだけでも嬉しいのに、イラストを描いて下さったなんて本当に嬉しいです!実はtwitterはやっていないのですが、この機に...とも考えておりまして。 (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
高(プロフ) - 夢主さんのイラスト勝手に書かせていただきました笑作者様見ていただきたいんですけどツイッターはやってないですか? (2020年2月16日 12時) (レス) id: 9e0ac4ae00 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - fujizakuraさん» 本作をお読みいただきありがとうございます。公開が遅くなり申し訳ありません。(8)は既に公開済みですので、引き続きお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月31日 14時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
fujizakura(プロフ) - 【8】がパスワードがかかっていて見れません (2020年1月30日 17時) (レス) id: 21ccb35895 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2020年1月20日 8時