SNOW DROP II (7)【名探偵コナン/警察学校組】

そっくりだな ページ1

*注意: 登場人物が増えるため、
ここから数話の間、主要人物の会話は、「」前に表記が入ります。



翌日の午後15時10分。


一ノ瀬 「…東堂の秘書は連行されたみたいですね。
じゃあ警部、東堂のところへ。
彼は今、部屋から出られないはずですので。」

中森 「…セキュリティシステムを掌握する、って言ってたが、
こんなに早く出来るとはな」

一ノ瀬 「まぁ、このくらいは」

中森 「にしても、堂々とそのディスプレイを俺に見せるとは、
お前、ますます春宮に似てきたな」

一ノ瀬 「…どういう意味ですか」


東堂グループ本社。
東堂の部屋がある9Fの廊下の隅で、
しゃがみこんだ状態でカタカタとPC操作しているのは一ノ瀬だ。


奥の部屋、東堂の部屋付近の防犯カメラの映像が映ったディスプレイを中森に見せ、
踏み込みましょう、というように目で合図を送る一ノ瀬に、
中森がニヤリと笑った。


明らかにハッキングだ。
それも、捜査令状が出ていない二課の人間による行為。


中森 「ま、バレたらその時ってことか」

一ノ瀬 「…このビルのセキュリティシステムに許可なく侵入したのは俺です。
指示なく勝手に行動したことは分かってます。処分は覚悟してますから」

中森 「…やっぱり、春宮にそっくりだな。お前…」

一ノ瀬 「あんまり褒められてる気はしないんですが」

中森 「褒めてるつもりもないけどな」

特に言い訳をするでもなく、ありのままの事実で言葉を返す一ノ瀬に、
中森は口角を上げ、苦笑いを向けた。

そして、ノートPCを手に同じくニヤリと笑みを返すと、
中森とともに奥の東堂の部屋へと向かう一ノ瀬。


東堂が部屋から出られないはず、という彼の言葉は、
東堂の部屋の入り口、指紋認証によるセキュリティロックは、
遠隔操作によりLOCKを外せないようにした、ということだろう。
秘書が連行された後、
部屋で1人、逃げられない状況でドアをガタガタさせている東堂の姿が、
一ノ瀬が持つPCのディスプレイに映し出されていた。

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