SNOW DROP II (7)【名探偵コナン/警察学校組】

失礼なセリフ_3 ページ48

さらに15分後。


『綺麗な理屈は通らないけど、…出来ることをできる人間がやればいい、というのは、
やっぱり間違ってないと思うから』


警察学校時代に零した持論。
先日、”安室”にも零した言葉。
その考えは変わっていない、と告げる相手は、


やはり墓に眠る伊達だ。


『…厄介な部下、だそうよ。
でも、それで事件が解決するなら、何の問題もないと思うんだけど…ね』



“1年も経ってねぇのに、目ぇつけられるんじゃねぇか？“
“綺麗な理屈が通るほど、警察組織は純粋な組織じゃねぇ、ってことだろ？”


脳裏をよぎるのは、やはり、数年前に投げかけられた伊達のセリフだった。
思い返すように少し表情を和らげるA。


『協力、という形では無理でも、
こうやって1つに繋げられることもあると、思ってる。
…それに――』


協力者のような間柄になるつもりも、彼にそれを望むわけでもない。
そう出来るわけも、ない。

一課だけじゃない。
利用する形になったとはいえ、結果的に、
公安とも同じ目的のために互いにプラスになる関係になったはずだ。

現場では、妨害となったことで､”公安警察の彼"に叱責されたわけだが。
しかし、昨日、東堂や彼の秘書、そして遠藤の取り調べは最終的に二課にも許可された。

東堂は既に自白をしている訳だが、
彼の秘書、そして遠藤についてはまだ取り調べの余地が十分残されていた。

未だ公安に身柄を押さえられている五十嵐についても、
取り調べの許可を現在申請中だ。

それは、
彼が、公安警察の彼が、
2週間前に渡した証拠を、”二課にとって”無駄にはせず、
正式な証拠として渡してくれた、いや、戻してくれたおかげだった。

伝えておきたかったことを、
報告のように告げたAは、キュッと口を結び、目の前の墓を見据えた。


『もしかしたら、伊達と…、松田と踏み込むことになっていたのかも、しれないわね。
…それじゃ、また、来るわね。』


そして、
彼らが命を落としていなければ、
もしかすると、一課の刑事であった彼らとともに現場に踏み込んでいたのかもしれない。
そんなことを口にし、自嘲めいた笑みを浮かべてAは墓地を去っていった。

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