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面倒くさい男_6 ページ37

「…かすり傷、ですよ」

『…』

「A…さんも、足…、
それと、お腹も…傷開いてますよね」

『…』


安室の口調のまま、そうした言葉を口にする降谷を、
Aは思い切り睨みつけた。


『…問題ないから』


そのまま、今度こそ松葉杖を握り、ベッドを離れようとするAの手をとっさに掴む安室。


「…もう少し、聞かせてもらえませんか?」

『…は?』


彼の真剣な表情に、
少し切なそうなその表情に、
怪訝な表情を浮かべるA。


「さっきの、…大事な言葉だっていう話。
スノードロップの話を、もう少し聞きたいので…」

『…よく、分からないんだけど』

「ダメ、ですか…?」

『忙しいんじゃ無かったの?』

「…もう少し休むように、言われましたし。貴方に。
それに、やるべきことは…指示を出していますので」


チラリとみれば、
彼の手元にはスマホが握られている。

会話をしている間にでも、
あの、風見とかいう部下に指示を出していたということか。


『…”安室さん”って、…何か、面倒臭いわね』

「…え?」


先ほどの話からAがまだあの頃のことを忘れてはいないということを、
忘れようとしている訳ではないということを知った降谷。



そして、自身の怪我のことで、
頭を撃たれていたかもしれなかった先ほどの状況で、
表情を大きく歪めたAを引き止めたのは、降谷の本能的な行動だった。


しかし、真剣な表情で見つめた相手は、
面倒くさいなどと眉を寄せ、安室は、いや、降谷はあからさまに不満そうな顔をした。


『…貴方も、あの風見って人と同じね。』

「え?」

『…悪趣味』

「…は?」


苦しげに歪んでいたと思ったAの表情はすっかり元に戻り、
ジトリ、と安室を見つめている。
彼の言葉に、不快感を持つと同時に安堵した、ということか。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - 開設しましたらお知らせしますね!ぜひ、高さんが描いて下さった夢主ちゃんを見てみたいです! (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 高さん» コメントありがとうございます。な...なんと、そんな嬉しいことがあって良いのでしょうか...。本作を読んで頂けているだけでも嬉しいのに、イラストを描いて下さったなんて本当に嬉しいです!実はtwitterはやっていないのですが、この機に...とも考えておりまして。 (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夢主さんのイラスト勝手に書かせていただきました笑作者様見ていただきたいんですけどツイッターはやってないですか? (2020年2月16日 12時) (レス) id: 9e0ac4ae00 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - fujizakuraさん» 本作をお読みいただきありがとうございます。公開が遅くなり申し訳ありません。(8)は既に公開済みですので、引き続きお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月31日 14時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
fujizakura(プロフ) - 【8】がパスワードがかかっていて見れません (2020年1月30日 17時) (レス) id: 21ccb35895 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月20日 8時

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