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黒に滴る赤_2 ページ10

『明るみに出したく無い組織か…。
いずれにせよIPを探られたく無いってことは、何かマズイことでもしてるのは明らかよね。』

「まぁ…、彼らとそういう金のつながりがある以上、
マズイのは当たり前なんですけどね」


それもそうだ。
麻痺しかけているような自分の感覚に、Aは自嘲めいた笑みを零した。


『…遠藤からもう一度揺さぶるか。』

「え?」

『彼は、あまりこういうことには慣れていないのかもしれないわ。
…ボロを出しそうだから』

「こういうことって…」

『金に関してはどうとも思ってないでしょうけど、殺 しには慣れてないでしょ、ってこと。
あの様子だと、彼はおそらく川端殺 しに関わってる。
だとすれば、相当危ないことになってそうね』

「…」



五十嵐が東堂の秘書と関わっている、ということ。
そして、彼らは殺 人まで協力して実行する関係ということだ。




“お前ら。まだ、東堂の事件を追ってるんじゃ無いだろうな。
…あの春宮の様子。今回の川端の事件とも、何か繋がってるのか”


今朝。
二課で、中森から問い詰められたことを一ノ瀬は口にしなかった。
捜査では、これまでもただ真っ直ぐに突っ走ってきたAだが、
数日前、川端が殺 害されて以降、一課へ2度乗り込んだ挙句、
普段以上に執念深く徹夜続きの捜査を続けているA。

それは、東堂の不正を追っていたときの、
東堂の捜査が打ち切られた時のAの姿と重なるところがあり、
彼女の執着に、中森が何かしら感じていてもおかしく無い状況なのだ。



『そう言えば、何かこの辺り、人が多いわね』

「…そうですね。」


米花町の交差点近く。
ATMの付近から、近くに停めた車へと向かう2人だったが、
周囲の人の多さに、Aが怪訝な表情を浮かべた。


「そう言えば、今日の午後、
米花デパートで人気俳優のイベントがあるとか聞いたような…」

『…へぇ』


交差点を渡った向こう側。
少し先に見える米花デパートに視線を向け、納得した様子のA。
周囲の若者たちは、確かに、デパートの方向へと向かっているようだ。



『とりあえず、映像の解析から進めた方が早いかもしれ――』

「…春宮さん?」


横断歩道手前。
口を開いていたAが急に顔を歪めた。
苦しげに細められる大きな瞳を、一ノ瀬は焦ったように見つめた。


『…黒』

「は?」

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます!更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月12日 18時

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