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それぞれの部下_4 ページ47

「…あ、すみません。変なこと、言いましたよね。
春宮さんとはこれまでも何度か顔を合わせていたので…、ちょっと思い出してしまって」

「…いや。俺もすみません。知らなかった…ので」


咄嗟に掴んだ高木の肩から手を離して申し訳なさそうな顔をする一ノ瀬に、
高木もまた申し訳なさそうな顔をした。


佐藤が心配だったこともあり、高木が勝手に調べていた”松田刑事”のこと。
一ノ瀬は同席していなかったが、先ほど、目暮の口から零された彼の話。

彼もまた、伊達刑事の同期であったこと。
つまり、Aの同期であったはずだということ。
そして、彼もまた既にこの世を去っていることは、高木は口にはしなかった。


伊達の墓で顔を合わせたAのことを思い出した高木は、
また、先ほど、同じくAの同期である塔子が襲われた事件のことを一ノ瀬と話したことで、
ふっと、それらを結びつけてしまいそうになってしまったのだ。


目を覚まさない同期。
この世を去った2人の同期。


その他の同期のことは、
――――知る由も無かったのだが。




「それじゃ。俺は二課に戻ります。
…配置は違いますけど、明日はよろしくお願いします」

「…こちらこそ、よろしくお願いします」



缶コーヒーを持ったまま軽く敬礼をする高木に、
軽く会釈をし、休憩室を去る一ノ瀬。



(… 一課の伊達刑事。
春宮さんの…、同期、か。)


以前、道場で、
同期はいるのかと聞かれた時のAの表情が、一ノ瀬の脳裏に浮かんだ。
叱責された自身の深読みが、再び蘇った。


(そんなこと、考えている場合じゃないだろ…。
春宮さんにバレたら、怒られるくらいじゃ済まないな。配置から外されかねない…)


まるで目の前で叱責されているかのようにキリ、と表情を引き締める一ノ瀬。
そして、思考を打ち消すように軽く頭を振ると、
階段を駆け下りるようにして二課に戻ったのだった。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます!更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月12日 18時

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