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厄介な部下_8 ページ43

『では、明日。よろしくお願いします。』

「…だから、何でお前が言うんだ」

『警部はこういう言葉を口にしないと思いましたので』

「…」

中森に咎められ、正論を返すAに、
目暮が再び苦笑いを浮かべた。


「…では、二課の刑事を合わせて、
すぐにでも互いの情報を確認し、明日の動き、配置の確認が必要だな。
高木!佐藤くんは?」

「今、現場に。もうすぐ戻って来る頃かと」

「…分かった。にしても、…春宮くんと言ったか。」

『はい』

「相当厄介な刑事のようだな」

『…』



セリフとは裏腹にニヤリと口元を緩める目暮に、
Aは表情を変えず視線を合わせた。


「…上司の言うことは聞かない。勝手な行動を取る。」

『捜査に必要だと思っていることをしているだけです。』

「…どこか、松田くんを思い出すな」

『…!』


高木に視線を向け口を開いた目暮の言葉に、
Aの表情がわずかに揺らいだ。


「松田くんって…、3年前…佐藤さんと組んでた…」

「あぁ、そうか。高木くんは直接は知らないんだったな。
…彼にもずいぶんと手を焼かされたよ。
まぁ、一緒に行動していた佐藤くんが一番文句を垂れていたがな…」

「…」


彼と会ったことはないにせよ、
松田に何があったのかを、佐藤との間に何があったのかを知っている高木は、
目暮の言葉に切なそうな顔をした。

事情のよく分からない中森は、ただ、不思議そうな顔で眉を寄せている。


「その性格は警察組織では褒められたものではないが、…今回はおそらく一課が世話になる。
…よろしく頼む。」

『…こちらこそ、よろしくお願いします。』

「あぁ。」


頭を下げた目暮に、再び軽く会釈を返すA。
高木もまた、軽く頭を下げていた。
その様子に、何より頭を下げた目暮に、驚き、パチパチと瞬きをする中森。


『それと…彼と似ているかは知りませんが、…今回、ヤツらを逃すわけにはいきません。
身勝手な行動を取るつもりなど、ありませんから。』


そう言って目暮を見据えるA。

その姿を、彼らの様子を、
一課に行くといって戻ってこない中森を、
もしかするとAもここにいるのではないかと探しに来た一ノ瀬が、
一課のオフィス前で不思議そうに眺めていた。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます!更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月12日 18時

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