厄介な部下_5 ページ40
「明日の、15時…か。
それににしても、公安まで絡んでいるとは、な」
「おい、一課にまで情報を見せろとは――」
『話はして頂いているんですよね？
…同じ人物を追っているんです。中森警部と一課の皆さん。別々に見せるよりも、こうした方が早いでしょう？』
ノートPCを操作し、輪廻のヒカリと五十嵐の繋がりの証拠、
五十嵐から団体への金の送金履歴と相手先の口座情報を示すA。
「お前、これ…」
『五十嵐に関する情報収集のため、”正式に”得た証拠です。』
ハッキングしたんじゃないだろうな、
という中森の言葉はAによって遮られた。
「…公安が追っている団体っていうのは…、本当なんですか…」
目暮のデスクに近寄ってきていた高木が、驚いた様子で口を開いた。
情報を不用意に拡散させるのは良くないと考えつつ、
一緒に動くことになるだろう彼に情報を伝えることは必要だと考え、Aは小さく頷いた。
「それにしても…、随分と複雑な…、危ない領域に踏み込んでいるようですね」
『予め情報を伝えず、すみません。
こうした情報を最初からむやみに開示しておくのは、得策ではないと思いましたので』
「それで、一課も同じく明日の15時に、
彼ら…、東堂の秘書…、そして五十嵐の秘書を取り押さえて欲しい。
そういうことかね？」
突如伝えられた情報に未だ戸惑っている高木の横で、
目暮は考え込むような仕草でAと中森に問いかけた。
「二課は、この春宮をはじめ…、数名の刑事で、東堂グループ本社と、五十嵐の事務所に向かう。
…本来は二課だけでも十分なんだがな」
『警部。…こちらには捜査権がありません。…”正式な”。』
あからさまに不本意そうな中森警部に、
Aが事実を口にした。
「こちらも、中森の言うことを聞いてやるのは不本意だが…、
奴らに下手に証拠を消されないため、同時に、ということか…。」
『お願いします。』
ノートPCの前で軽く頭を下げるAは、
ちらりと目暮の方へ視線を向けた。
中森は仏頂面で、
頭なんか下げる必要はないというように、Aを軽く睨んでいる。
(…目暮警部と中森警部って…、もしかして同期…？)
互いの関係について聞いたことはなかったが、
話し振りから、何となく近しい間柄のように感じたAは少し口元を緩めた。
仲は良くは無さそうだが。
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white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます！更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (
レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2020年1月12日 18時
