密会と煩悩_6 ページ31
「こちらの方針は変わらない。そっちに伝えるつもりなど毛頭ない。
あの団体と、議員は、こちらのテリトリーだということを忘れるな。」
『…まさにあの部署を統括する人間のセリフね。』
「そちらの捜査状況など考慮する予定はない。…悪く思うなよ。」
『…追っている事実は同じでしょ。
…掴んでいる証拠は違うのかもしれないけど』
「まぁ、確かにハッキングのスキルは、…そっちの方が上手(うわて)かもしれないがな」
『…』
他の部署など知ったことではない、という、
他の部署がこちらのテリトリーに手を出すな、という、
まさに、何でもアリと言われる公安の人間のセリフを零したかと思えば、
自身の情報収集能力を、ハッキングによるそのスキルを褒めるような降谷の言葉に、
Aは至近距離に寄せられていた彼の顔にチラリと視線を向けた。
今更ながらに気づいた、
自身の消え入るような声を聞き取るために寄せられたその顔に、
少しだけ戸惑うA。
『さっきの”言葉”は、信じるわ』
「協力する、と言った訳じゃない。
こちらの邪魔をされたらたまったものじゃないからな。」
明日の15時。
テリトリーだの何だのと言ってはいるが、
その言葉には嘘はないだろうと、確認するように、
Aは間近の降谷の目をチラリと見つめた。
『…貴方たちがどこまで掴んで、どこまで明るみに出すつもりか知らないけど、
…二課がじっくり調べてやるわよ』
「…さっきは一課だと言っただろう」
『一課は、東堂の秘書と、五十嵐の秘書…遠藤を押さえるつもりよ。
…私たちは、一課と一緒に動く。…でも、東堂本人と、五十嵐も同時に押さえるわ。
…五十嵐は公安の人間が身柄を押さえるのかもしれないけど。
五十嵐の事務所にはそっちも踏み込むんでしょ』
「…ずいぶんペラペラと話すんだな」
『邪魔されたくないのはこっちも同じなのよ。
…今逃す訳にはいかない』
「二課には捜査令状が下りてないはずだったな。
ポアロに聞き込みに来た時も、勝手に動いていたんだろ。」
『…貴方には関係ないことよ』
「懲りずに勝手に危ないこと、してるってことか」
はぁ…、と小さくため息をついた安室。
その吐息が肩にかかり、Aがピクリとわずかに肩を揺らした。
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white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます！更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (
レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2020年1月12日 18時
