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密会と煩悩_2 ページ27

『”捜査二課の春宮”が、輪廻のヒカリの教徒に刺され、
そして、公安部に乗り込んできた。
あの団体は公安が追っている組織なのだろうと、
五十嵐と繋がっているんだろうと、詰め寄るようにして。
…随分邪魔な存在よね。』

「…」

『普通は公安の捜査の邪魔になるだろうことから、
何らかの形で捜査中止もしくは、私自身に理不尽な処罰が下るはず。』

「…何も…ないってことは…」

『公安もまた、近々動く予定だから…じゃない?』

「…でも…、一課と二課、どちらにも捜査を中止させるなんてことが出来ないからってことも…」

『捜査令状が下りてるのは一課だけよ。二課にはまだ、正式な捜査権はない。
それに、輪廻のヒカリについての捜査令状は、当然どちらにも下りていない。
輪廻のヒカリのことは、一課にも二課にも話していないから。
私が勝手に、公安部で話しただけ。

…私の動きを制限するくらいなら、公安なら容易いんじゃない?
でもそうしないってことは、それよりも優先すべきことがあるってことでしょ。』


国家を脅かす組織かもしれない、ということで、一ノ瀬の表情はかなり険しくなっている。
公安の捜査妨害をするなどということになれば、
自身たちの処分など比にならない、取り返しのつかないことになりかねないのだ。


「それを確認するために…、公安部に乗り込んだんですか…?」

『…それもあるけど、こちらで調べるだけじゃなくて、
向こうの反応を見ておきたかっただけよ。
公安が、五十嵐や輪廻のヒカリを追っているってこと。両者が繋がっているって、こと。』

「…」


そして、1Fに到着しドアが開いたエレベーターから足を踏み出すと、


『大丈夫よ。確証を得てからしか動かないから。
…出来れば今日中に、ね』


と、Aが呟いた。


「え?」

『一ノ瀬は少しでも仮眠取っておいて。
明日から、しばらく寝られないわよ。』


それじゃ、と呟くと、駐車場へ繋がる警視庁の裏口へ向かうA。


「…確証を得るって…どうやって…」


不思議そうに目を細めた一ノ瀬は、
先日、公安部へ乗り込んだ彼女の行動が、
ただ感情に任せたものではなく深い意図があったことに、
そんなことを知る由もなかった自分に、くしゃりと顔を歪めた。

しかし、襲ってきた眠気には抗えないようで、ふぁ…と欠伸を零すと、
もう一度エレベーターへ乗り込み、
そのまま仮眠室へと向かったのだった。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます!更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月12日 18時

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