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中森という男_3 ページ23

『さっき、わざわざ私たちに伝えにきたのよ。一課に令状が下りたこと。
…車の中で話していた私たちに。』

「…」

『偶然だとでも思った?…これまでも、時々あぁやって話してたの、きっとバレてたはずよ。
まぁ、…東堂たちのことをどこまで調べてたかまでバレてるとは思えないけど』


そこまでバレていないという自信があるのか、
中森にそこまで探る能力はないことを知っているためか、
少し皮肉めいた言葉を交えつつ、Aは柔らかく口元を緩めた。


『川端の事件から、東堂の秘書と、…五十嵐の秘書には捜査の手が入る。
それまでに、これまで調べた金の動き、全部”正式に”洗い直すわよ』

「え…?」

『消されちゃうかも知れないでしょ。…ま、奥層のディレクトリ情報はそうそう消去出来ないんだけど。
これまでの動きを見てても、向こうに一ノ瀬クラスの有能なハッカーがいるとは思えないしね。』

「えっと…」

『だから。
二課も、正式に動くのよ。…警部がどこまで許してくれるつもりなのかは分からないけど。
東堂の不正疑惑…、マネーロンダリングを利用して五十嵐とも繋がっていることはもう確実でしょ。』


一課の捜査が入れば、
東堂の秘書も、そして、五十嵐の秘書、遠藤も、
つまりその裏にいる、東堂と五十嵐は当然警戒するはず。

川端の事件にどこまで本人が関わっているのかは分からない。
しかし、互いを繋ぐ金の動き、あらゆる不正の証拠を念入りに消しにかかるかもしれない。



『川端の事件から、何故あの2人が繋がっているのか、それを調べる必要が出てくるはずでしょ。
こちらの情報で、一課は2人を重要参考人として取り調べることが出来るはず』

「…正式に、ではなく、一課と手を組むってこと、ですか?」

『情報共有があって当然でしょ。
それぞれの得意分野を生かして、得た情報を共有しながら、事件を追って犯人を捕まえ、真実を明らかにする。
警視庁という多くの人間が集まった組織は、…本来、そうあるべきなんじゃないの』

「…そ、そうですね」


二課のフロアに着き、
Aの口から零された言葉は、
一ノ瀬がこれまでに何度か聞いたことのあるセリフだった。

綺麗事とも言えるそのセリフ。
しかし、何も間違ったところなどないそれに、一ノ瀬は困ったように口角を上げた。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます!更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月12日 18時

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