中森という男_2 ページ22
『…掴んだんですか?証拠を』
「目撃情報から、な。
…令状が下りた以上、一課が必ず確証を掴む。」
一課のオフィス。
目暮警部に問いかけるA。
その少し後ろには、やはり一ノ瀬が静かにその会話を聞いており、
目暮の横には、先日のように高木と、そして事情のよく掴めない表情の佐藤の姿があった。
5日前に刺されたはずのAが突如乗り込んできたことに、
心配そうな表情を浮かべる高木と佐藤。
『では、…この映像も、調べていますよね。』
すっとカバンから出したノートPC。
そのディスプレイを見せるAは睨みつけるように目暮の顔を見つめた。
「…当然。彼の足取りを掴む重要な証拠だからな。」
『この車、運転席の男が誰かも…掴んでいますよね?
彼への捜査令状も下りていますか?』
「…既に申請済みだ」
何故、二課の刑事であるAがそれを問うてくるのか、
何故、二課の刑事であるAが川端の事件を執拗に追っていたのか、
その裏を理解できたというように、目暮は複雑そうに、しかし確かに口角を上げた。
『何故、彼らがともに行動していたかは…?』
「いや、そこまでは。それを調べるためにも、令状を取り本人に事情を聞くつもりだ」
『…分かりました。おそらく…二課もようやく公に動けます。
川端は、ある事件の重要参考人です。
そして、彼を殺した容疑者と思われる”彼ら”も、”ある事件”の、重要参考人…なので。』
少し乱暴にノートPCを閉じたA。
そこに映されていた、五十嵐の秘書である遠藤の車に乗り込もうとしていた、東堂の秘書。
彼らへ苛立ちをぶつけるように。
そして、
『できれば、当初お伝えした通り、あと2日待って頂けると助かりますが…、
あと1日あれば十分です。』
と言い残して、一課を出て行った。
「…何の話だったんですか?
一課の目暮警部と春宮さん、親しかったんですっけ…」
『親しい?…数回話した程度よ。』
「え…?でも…。
それに、…二課もようやく公に動けるって…どういう…」
『一ノ瀬。さっきの中森警部の言葉、聞いてたの?』
「え…」
二課に戻るため、階段を下る2人。
事情を掴めない一ノ瀬は、ただ、眉を寄せている。
115人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます!更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2020年1月12日 18時