検索窓
今日:40 hit、昨日:15 hit、合計:103,408 hit

耳打ちされた指示_3 ページ14

『だから。捕まえたの?私を刺した犯人。』

「あ…。はい。」

『情報は?取り調べてるんでしょ?』

「…米花町に住む、26歳の男でした。
名前は――」


刑事の顔つきに戻った一ノ瀬から情報を聞いたAは、
ピクリ、と眉を動かした。


『…輪廻のヒカリ』

「その宗教団体に所属していたようです。
動機は、お告げがあったとか、ただ人を刺してみたかった、としか。
直接、その団体の本部へ捜査に行きましたが、
3年前に入った教徒ということだけで特に変わった情報は得られていません。」

『…』

「あの男、春宮さんとは面識のない人物のようですが、
念のため後ほど確認お願いします。」


何かを考えこむ素ぶりを見せるAは、
動けないことへの苛立ちか、
自身の身体に繋がれた点滴を忌々しく睨みつけた。


『で、あの日から何日が経ったの』

「…4日です」

『4日…!?』


目を見開いたAは焦ったように眉を寄せた。


「4日間。意識が、無かったんです…。
何とか一命を取り留めたっていっても…、ずっと…目を覚まさなくて…」

『一ノ瀬。悪いけど、頼まれてくれる?』

「…は?」

『だから。この状態だと動けないから、頼みたいことがあるんだけど』


4日も意識がなかったAを心底心配していた一ノ瀬は、
再び泣きそうな顔を浮かべそうになったのだが、
早速、通常運転で指示を出してくるAに、もはや苦笑いしか浮かばなかった。



そして、上半身を起こしたままで耳打ちをする真似をしたAに、
一ノ瀬が困ったような複雑そうな顔で自身の耳を寄せた。


『おそらく―――』


「…そう、か…」


そして、Aから小声で告げられた指示に、
何かに気づいたように大きく頷くと、病室を出て行こうとベッドを離れる一ノ瀬。


そして、

「勝手に抜け出したらダメですからね!!」


と、叱りつけるようにAに告げると、
許しませんから、と言わんばかりにジロリと睨みつけ、足早に病室を出ていった。

耳打ちされた指示_4→←耳打ちされた指示_2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
115人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます!更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2020年1月12日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。