それぞれの部下_2 ページ45
「…春宮さんって、公安と繋がってるんでしょうか。」
「それはないと思いますけど」
「一ノ瀬さんって、春宮さんの部下なんですよね?
良く公安に足を運んでいるとか、…情報を提供してくれる協力者みたいな人がいるとか…」
「俺は常に一緒に行動している訳ではないですから。
でも、春宮さんが公安部に乗り込んだ時…、知り合いがいるような雰囲気じゃありませんでしたよ。
それにもし公安と繋がっていたら、それがバレたら、
公安側の人間が色々咎められそうですけどね。
…あと、俺は春宮さんの部下じゃなくて、正式には中森警部の部下です。」
何の反論なのか。
Aが何故公安の情報を持っているのかを知らないことへの苛立ちもあるのか。
缶コーヒーに口をつけながら、一ノ瀬はそっけない態度で高木に答えた。
「公安部に乗り込んだ時…って、…春宮さん、公安部にも乗り込んだんですか…」
「…まぁ。」
「春宮さん、かなり無鉄砲そうですよね。
危なっかしいって言うか。
…一課の捜査令状を利用するとか、目暮警部にあんなこと言うなんて。」
困った顔で笑う高木に、一ノ瀬が苦笑いを返した。
「まぁ、否定しませんけど…」
「以前にも、一課の取調室から出てきた犯人を問い詰めにきたこともありましたし…」
「…それ、生活安全課の婦警が襲われた時のこと…、ですよね」
「はい…。犯人に掴みかかろうとしていた春宮さんを止めた後、
気持ちは分かるからって、佐藤さんはずいぶん苦しそうな顔、してましたけどね…」
塔子を襲った犯人に掴みかかる勢いで彼を問い詰めようとしたAを、
佐藤と高木が取り押さえたときの話だ。
以前、先ほど目暮が口にした”松田”のことで、
彼を死に追いやった犯人に、掴みかかろうと、いや、その命を奪おうとしていた佐藤。
Aの気持ちが分かる、という佐藤の気持ちが、
高木には痛いほど理解できたのだ。
「佐藤さんも、…真っ直ぐで、すぐに突っ走って、危なっかしいんですよね。
…でも優しいから、苦しんでいたりして。」
「上司と仲がいいんですね。」
一ノ瀬の言葉に、焦ったように高木がわずかに頬を染めると、
そういうことか、と、それなりに鋭い一ノ瀬は目を細めた。
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white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます!更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月12日 18時