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中森という男_5 ページ25

『アイツって…目暮警部のことですか?』

「…ったく、協力を頼むって訳じゃねぇからな?」

『えっと…、情報共有だと、思ってますけど…。
私が話をしに行きたいところですけど、一応…、警部同士で話をして頂いた方が良いかと思いますので。』


珍しく、建前を配慮したようなAの言葉に中森はもう一度舌打ちをすると、
真剣な表情に変わった。

Aはご機嫌をとるような真似は出来ないのだが、
この大事な状況で、
下手に勝手に動いて、さらに動きにくくなることだけは避けたかったのだ。


「…分かってる。
東堂のヤツ、取り調べの時にムカつくほど余裕を見せてやがったからな。
弁護士からのクレームとやらで捜査が打ち切られたのは、
確かに家宅捜索でも不正の証拠が出なかったから…まぁ、仕方なかったとはいえ、
…何かあるとは思っていたんだが。国会議員と金で繋がってたとはな」


苦々しい顔で言葉を吐く中森に、
今度はAが口を開いた。


『上から何か責任を問われたら、私のせいにして頂いて構いませんので』

「バカにするんじゃねぇ」

『は?』

「確かに二課だけで上からの命に背いたら、何言われるか分かんねぇけどな。
今は正式な捜査で一課も動いてるからな。
…まぁ、アイツと話つけてりゃ、二課が動いても問題ねぇだろ。」

『…』

アイツ、とは目暮警部のことだろうか。
カッコいいことを言っているようだが、
東堂の不正疑惑について捜査の中止命令が出たときは、
それ以上、上に刃向かう気が無かったことを自白したような中森の言葉に、
Aは何やら可笑しさがこみ上げ、小さな笑い声を漏らした。


「何がおかしい」

『いえ。では、時間が勿体無いので、私も情報を洗い直します』

「…」


時間が勿体無い、などと、何やら皮肉めいた言葉をぶつけられた中森は、
Aが、正式には一ノ瀬と、なのだが、
これまで集めた情報の一部について、
捜査支援分析センターへ正式に捜査依頼する作業に手を貸したのだった。

密会と煩悩→←中森という男_4



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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます!更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月12日 18時

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