無機質な報道 ページ43
翌朝。
トーストをかじりながら、
Aは眉をひそめていた。
視線を注ぐ先は、テーブルに置かれた今日の朝刊だ。
(…爆発…って…)
昨夜、TVのニュースで、
米花デパートの不審物は、爆弾だったということ、
そして、警察の調査中に爆発が起こったということが報じられていた。
流れていた動画では、
ボヤのような煙が出ており、大規模な爆発では無かったということだったのだが、
Aの不安を煽るには充分な報道で、
やはり昨夜は良く眠れなかった。
それだけでなく、
昨夜は、米花デパートの一件だけでなく、
その他、雑貨店の案件や、部下である湯川から相談を受けているその他の案件の納期が明日に迫っており、
日付が変わってもしばらく寝られなかったのも大きな原因だ。
ニュースの確認もそこそこに、PCのディスプレイに向き合い続けていた訳だ。
そして、今朝。
眠そうな瞼で瞬きをしながら目を通す朝刊。
“爆弾”
“爆発”
という文字は、視覚的にやはり恐怖を煽るもので。
そして、すべての記事を読み終えることなく、
時計を確認すると、やはり慌ただしい様子で部屋を出て行った。
58人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2019年12月5日 19時