Liar (2)【名探偵コナン】 (ページ18)

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止血_6 ページ18

「…月島！大丈夫か…！？」

『え…』

腕を押さえながら座り込んでいたAの頭上から、
焦ったような声が聞こえ、ゆっくり顔を上げた。

「さっきの奴は捕まえたから安心しろ。
…って、その腕…！すぐ救急車――」

『…大丈夫です。さっき、119番したので』

「…は？自分で連絡したのか？」

そんなやりとりを交わしていると、
路地の向こうにパトカーが止まるのが見え、ぼんやりそちらを見つめるA。

「…萩原！」

「…松田が来てくれたのか。
悪い、そこで伸びてる男、連れてってくれ。傷害罪の現行犯だ。」

焦った様子でパトカーから降りて来たのは、
Aが見知った男だった。
マンション前で、そして、あのBarで見かけた男だ。
捜査一課の刑事の、松田という男。

そうか。
やっぱり通報してたのか。
捕まえたって言ってた――、やっぱりこの男、萩原は警察だったのね。

ぼんやりそんなことを考えるAだが、
やはり、思考がうまく纏まらない。

「…大丈夫じゃ、ねぇだろ」

『…っ…』

急に真剣な声で言葉を投げかけられたかと思うと、
萩原に、右腕の傷の上の方を力強く掴まれ、
Aは痛みで顔をしかめた。

傷に直接触れられてはないものの、近くに触れられれば痛むわけで。

「悪い。縛るもの、持ってねぇんだ。
ネクタイ、あの男に使っちまったから」

『…』

ぼんやり見つめる目の前の男は、
白いシャツをまとっただけの薄着姿。
この2月下旬の寒空には、到底あり得ない格好だ。