Liar 【名探偵コナン】 (ページ10)

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立ち入り禁止_3 ページ10

『…うーん。』

駅までたどり着き、
スマホのディスプレイに指を当てようとして悩む様子を見せるA。

どこに行こうか悩んでいるのだ。
大学時代からの友人たちは、
転勤や結婚によりほとんど東都を離れてしまっていた。

『…とりあえず、ネットカフェ、かな…』

緑台には無いが、隣の米花町に行けば確か駅前にあったはずだ。

軽い言葉を零しているようだが、内心はジワジワとこみ上げる不安に、
きゅっと右手を握りしめた。

不審物の確認が1時間で収束するかどうかも分からない。
高木の説明で、
通報があり警察が駆けつけ、あのような大ごとになっているらしいことは分かったが、
パトカー2台に数名の警官、そして機動隊。

かなり緊迫した現場に見えた。

寒さも合わさって、右手を握りしめたまま、
Aは再び電車に乗り、米花駅に向かった。

――――――

『い…痛い…』

翌朝。
ネットカフェで一夜を明かしたAは、
背中に感じる鈍い痛みに顔をしかめた。

個室で寝たことがない訳では無いが、
やはりベッドで寝るように熟睡できる訳でもなく。
何より、体が痛い。

睡眠不足も重なり、シパシパした目をぎゅっと閉じ、大きく伸びをすると、
Aはそのまま店を出ていった。

(…5時50分か…。もうさすがに大丈夫、よね)

あの後、ネットカフェのPCでニュースを色々見たところ、
不審物の通報について報じられていた。

“緑台の住宅街で不審物。
爆弾の可能性もあるとのことで捜査中”

そして、1時間ほどして、それらのニュースは、

“緑台マンション入口駐車場付近に、小型爆弾のレプリカ”

という見出しに変わったのだ。