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身勝手な要求_2 ページ47

『ごめんね、湯川。ちょっと提示日が早まって。』

「いえ…。一応、こっちの方はBodyの修正は終わってしていましたし、サブページの修正もほぼ完了です。
でも、確か月島さん、他にも新しく作ってましたよね…」

『まぁ、ね。
短時間では完全なものは作れてないけど、
意見に応じて、それぞれファイルを組み合わせて行けば良いかと思ってるし。』

「でも、詳しい事情は教えて貰えずに、提示日を4日も早めるって…」

取引先の都合とは言え、
理不尽な要求に湯川は苛立ったような声を上げ、
Aに、ファイルを収めたUSBを手渡した。

「一応、石田と修正したやつですけど、サブの方は、俺が勝手に2つ作ってます。
あと、6割くらいで未完成ですけどもう1つ。
…何か使えるものがあったら使ってください。」

『え…』

「使えないかもしれませんけど。その…、どういうのが良いかちょっと色々考えてたら…」

あれこれ考えながら作っていれば、
1つでは納得できず、
複数案出来てしまうことは良くある。

クリエイターとしてどこか顔つきの変わった湯川に、
頼んでいた分以上のものを手渡してくる彼に、
USBを受け取りながら、
Aは、目を細めてお礼を告げた。






そして、翌日。

2週間前にも訪れたA社の小会議室で、
真剣な表情を浮かべるA。
その横には、湯川の姿があった。

今日も営業の部下を連れていくことが叶わなかったAは、
忙しいところ悪いけど、と、半ば強引に湯川を同席させているのだ。

『こちらが、以前ご提示したデザインを元に、修正した案になります。
メインのデザインは暖色系の配色を増やし、少し明るめに変更し――』

「…うーん。これだと、少し見づらいですね。」

『…では、こちらの2案はいかがでしょうか。
サブページについては、こういった案でも良いかと存じますが』

やはり難色を示す北川に、
Aは即座に別の案を提示した。

そのファイルは、湯川に貰ったものも含まれていた。
隣に座る湯川は、Aの手元の資料と、
ノートPCのディスプレイを横目で真剣に眺めている。

「…確かに構造は良くなっていると思いますが…」

『まだどこか気になる点がございますか?』

「やっぱり、商品情報の説明が多くて分かりづらいような…」

一部はまだ未完成なため、紙ベースでの提示で、ノートPCと資料を丁寧に説明していたAは、
小さく眉をひそめた。

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設定タグ:名探偵コナン , 萩原研二 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月29日 22時

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