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身勝手な要求 ページ46

1週間後の杯戸ショッピングモールにあるカフェでは、
難しい顔を浮かべたAがノートPCを広げ、キーボードを打ち続けていた。
店内は、何やらハートをモチーフにしたインテリアで彩られている。

この店だけではない。
1週間後にバレンタインを控えたショッピングモールでは、
雑貨店や洋菓子店を含め、バレンタイン一色の装飾になっていた。



Aノ目の前には、半分ほど口をつけたトーストセット。
軽い昼食、だ。
部下に一部手伝って貰いながら作り上げた、
この近くの雑貨店のHPのデザイン案。
先ほど、ほぼ承諾の返事を貰い、そのまま詳細を詰めながら進めていく流れになった。

正反対の状況の案件に、
Aはため息を零しそうになり、ふるっと頭を左右に振った。


向かい合っているのは、A社の案件だ。
納期まではまだ1ヶ月以上あるが、
何やら難癖をつけてくる北川を何とかするため、
他の案件に極力支障が出ないように、先方の”修正要望を満たす”案を、
いくつか考えているのだ。
ただの嫌がらせの可能性も充分あるわけだが、
いや、そうとしか思えないのだが、
文字通り、それを満たす案を。


そして、
周囲のざわめく中、カバンの中で振動するスマホに気づくと、
ディスプレイを操作し、それを耳に当てるA。


『…はい。月島です。
――え?明日、ですか?』

そして、ふと眉をひそめた。

(確か修正案を送るのは、
来週月曜日って話してたはずだけど…)


相手は部長からだった。
少し急がなければいけない事情が出来た、と、
A社から今日、修正案を送ってくれないかと連絡があったというのだ。

今の状態でも構わないから、と話す部長だが、
そんな状態で提示すればまた何を言われるか分からない。

4日も早められたその連絡に、Aは頭を抱えると、
静かに通話終了ボタンを押した。


『…この2つは、このままで…。
あとは、こっちね。
後で湯川からファイル貰って…』

デザインに関しては、Webクリエイターの湯川、そして、彼と同期の石田にも仕事を振っている。
2週間前、北川に進めていたデザインの修正したバージョンに加え、
ほぼ新たに、という状態で、2案も作っているAは、
まだ、紙面上の案の部分があるものの、どうにか案件を進めていくため、
現在製作中のファイルを整理し始めた。

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設定タグ:名探偵コナン , 萩原研二 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月29日 22時

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