Liar 【名探偵コナン】 (ページ5)

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Corso ページ5

「今日は10時から定例会議、
13時にB社の伊藤さんにお電話して、
それから16時からは杯戸シティホテルで打ち合わせ、か――」

3日後。
米花駅から3駅。
小塚に本社を置くIT企業Corso (コルソ)のデスクで今日の予定を確認するAは、
すっかりいつもの様子で、真剣な目に柔らかい笑みを浮かべている。

人当たりのいい”月島 A”、だ。

Corsoの社内でAは、
話しやすく理解のある、仕事のできる人間、だった。

AはもともとCorsoの社員で、当初はwebクリエーターの仕事が主だったのだが、
入社3年目に営業の課長補佐になり、
それから2年が経ったころに、若くして課長へと昇進した。

人当たりがよく、交渉も得意なAは、
Webデザイン関係の取引などでも実績を上げ、
重要な取引先へのAの対応などから営業への異動の話が持ち上がり、
今はそこで邁進している日々という訳だ。

「あ、月島さん。
これ、今日の会議の資料なんですけど、昨日の分から一部変更になっていて――」

「受付ですが、XX社の佐々木様からお電話がかかっています。」

PCを前に部下や、取引先の電話に対応し、
手帳や付箋にペンを走らせるA。
今日の打ち合わせの時間と場所を確認するAは、
手元の書類を目にし、ふと息を漏らした。

重要な取引先との打ち合わせだ。
その後は会食。
Corso側にとっては、いわゆる接待だ。

書類には、大手電機メーカーのA社の名前と、
担当: 営業部長北川

の名前。

東都タワー近くに社を構えるA社とは3年前から取引を続けているCorso。
大手メーカーのA社は大きな顧客であり、失敗できない関係になっている。

そして、営業担当者同士の打ち合わせの際は必ず会食の席を設けている、
という訳だ。

もう一度ため息をつきそうになったAのデスクに、
入社2年目のwebクリエーター、湯川雅也 (ゆかわまさや)が近づいてきた。