4869【名探偵コナン】 (ページ8)

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見覚え_2 ページ8

午後になり、昼食を取り終えた景光は、進捗報告を兼ねて公安警察を訪れていた。
もちろん、向かう先は降谷のデスクだ。

「悪い、ゼロ。ちょっと良いか？先週話していた案件なんだが――」

「…」

「ゼロ？」

集中しているのか、こめかみに軽く手を当て、
ノートPCを鋭く見つめている降谷。
あまり良いことではないと思いながらも、
ちらりと視線を落としたそのディスプレイには、1枚の写真が映し出されていた。

「あ…、あぁ。悪い。何かあったのか？ヒロ」

「…」

「ヒロ？」

声をかけてきたはずだが、
自身の手元のPCに視線を落としたまま、少し考え込むように口を閉ざす景光に、
椅子に座る降谷はさりげなくノートPCを半分閉じ、彼の顔を覗き込んだ。

「どうかしたか？」

「いや、悪い。…見るつもりはなかったんだけど、…その写真の人物って…」

「…知ってるのか？」

何かを思い出すような景光の言葉に、
降谷は、険しい表情で詰め寄った。

「この人物を知ってるのか？まさか、…接触してきたんじゃないだろうな？」

一旦閉じかけたPCを開き、
確認するように景光にその写真を見せながら、問いかける降谷。
そのディスプレイには、3日前、降谷がポアロ近くの路地で撮った、
フードの女の姿が映し出されていた。

「接触って…、どういうことだよ。
最近、ちょっと見かけたことがあるだけだ。...偶然、な。」

「見かけた？どこでだ？」

「最初は、杯戸公園で。2週間くらい前の夜だった。
それと、昨夜。…米花公園で」

「…公園？見かけた、ってことは、声をかけてきた訳じゃ…ないんだな？」

「あぁ。ギターを弾いてたみたいだけど。…歌いながら。」

「…は？」

「ストリートシンガーっていう感じじゃなかったけど、な。」

景光の言葉に、降谷は頭に手を当て考える仕草を見せた。

そして、景光もまた、何故その人物の写真を降谷が眺めていたのか、
公安警察の彼が眺めているということから、
おおよそどういう状況なのか推察することは簡単で、
真剣な表情で降谷に問うた。