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お詫びの印 ページ47

翌日の夜。
公安部においていくつかの案件の処理を終えた後、
景光はAの自宅マンションへと足を運んでいた。


(…306…だったな…)


2日前、彼女に運ばれた部屋だ。
既にその前から、自宅は把握していた訳だが。


小さな紙袋を手に、彼女の部屋のドアの前に立つ景光は、
インターフォンを押すことなくそれをドアノブにかけた。

中には簡単なお詫びの文を連ねたメモを忍ばせて。




『…え、…時田さん?』

「あ…」


そして、くるりと立ち去ろうとして、彼の目の前に現れたのはこの部屋の主だった。


昨日の朝、ショートメールでお詫びのメールは送ってある。
“気にしないでください。元気になって良かったです”と、簡素な返事も貰った。

しかし、顔を合わせたのは2日前のあの夜以来だった。
あの夜も、彼女にとっては”顔を合わせた”とは言い難いだろうが。
景光は、いや”時田”は、
あの夜、“酔い潰れていた”のだから。


「今…、帰り?」

『あ、はい。』

「あの…、この間は本っ当に、…ごめん」


数日前のデジャヴのように、ガバっと大きく頭を下げた景光。


「…迷惑かけて、ホント…申し訳ありませんでした…」


頭を下げたまま少し不安そうに謝罪を零してくる景光に、
Aは焦ったように、”あの、本当に気にしないでください…”と、答えた。



「前に言ったと思うけど、
綾倉さんに道を教えて貰ったあの日の仕事が大きな取引に繋がって…、
その取引先の人との接待だったんだけど…、
俺、ちょっと舞い上がって、接待の後、会社の人間と飲みすぎちゃって…」

『…』

「途中までタクシーで帰ってきたのは覚えてるんだけど、どこで降りたのか…。
まさか、君のマンションの近くだったなんて…。
ホントごめん。…昨日、謝りに来るべきだったんだけど…」

謝罪を繰り返す景光−−、"時田"に、
Aは困り顔を浮かべていた。

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設定タグ:名探偵コナン , 諸伏景光 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月27日 20時

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